困惑の園子温版『リアル鬼ごっこ』を観た。 [映画]

     

『リアル鬼ごっこ』
2015年公開作品。

面白いか面白くないかで言ったr……
面白くないです。
(えーと、『マッド・マックス』で似たようなこと書いたの何日前だろう)

観るか観ないかはあなたしだい。
一つ忠告できるのは、
この映画は前宣伝でたっぷり煽ったような
女子高生惨殺エンタメではないし、
原作(未読)に対するオマージュやリスペクトはカケラもない(たぶん)。
さぁ、観る? 観ない?

以下、ネタバレ有りの個人的な感想なので、
興味のある方だけどうぞ。

続きを読む


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

美意識と創作本能が大爆発した『マッド・マックス~怒りのデス・ロード』を観させていただきました。 [映画]

     

『マッド・マックス~怒りのデス・ロード』
2015年公開作品。

考えるな、感じろ、
とは別の映画で有名なセリフですが、
そんな感じの、狂気とガソリンと母乳が満載の映画でした。

えーと、えーと、
この作品も、いいか悪いかが問題の映画ではないと思うんですが、
(最近そんなのばっか観てるな…)
個人的には、開始十分くらいで、
「……困った……私の趣味ではないみたいだ……」
と、感じる結果に(-_-;)

いや、違うの、面白いかどうかだけで言うなら、
面白かったです。
わたしカー・アクションが苦手なんですけど、
ちゃんと早回しもせずに観ましたし。
(カー・アクションのファンの方からの評判は悪いみたいですけど)

考えても今ひとつ、自分的に何が〝違う〟のか判らないんですよね…。
ただ、前田敦子ちゃんがこの映画を絶賛してること考えると、
ちょっと見えてくるのは、やっぱり年代のせいかなぁと。
なんでかなぁ…普通にヒャッハーってなってもおかしくない展開だったのに…。

違和感がMAXに達した時、時間を観たら30分以上が経過していました。
その間に主人公のマックスがしたことと言えば、

①モノローグで世界観を説明してトカゲを食べる。
②即刻ヒャッハーに捕まって丸腰にされ、
 生きた輸血袋となって吊される。
③輸血袋兼装飾品として痛車のボンネットに固定され、
 自分以外の人たちが大乱闘している間、二言くらいボヤく。

ここまでで三十分ですよ。
主人公なのに_/>O

画面いっぱいに押し寄せてくる狂的な美意識、
そのアヒャヒャヒャな世界観を見事に造形した創作意欲。
本当に素晴らしい。
でもわたしの感情は冷たく置いてきぼりで、
客観的に「いいね」と頷くしかない感じでした。

もうホント、これは個人的な趣味嗜好の問題ですね。
わたしなら、コレをグロテスクでステキっ! 興奮しちゃうッ!
って言える人なら、もう是非とも、
『ヒルズ・ハアブ・アイズ』(わたしの感想
を鑑賞していただきたい。
自分の感想では結構辛口になってますけど、
年々やっぱりこの映画良かったなぁと、何度も観る作品になってますので。

映画としての単品なら、
この作品は収益を生み出すドル箱として、
素晴らしい作品だとしか言いようがありません。
二時間くらい観てても、無駄にした、という感じはしませんしね。
映像はともかくとして、内容は、
ドロドロしているようで、案外サラッと描かれているので、
いちいち引きずるようなこともないです。
そういう意味でのドラマ性は皆無なので。
冒頭に述べたように、
考えるな、感じろ、
という作品なので、展開が多少強引でも、
それは別に考える必要も意味もないのです。

個人的には、もっとドロドロしたものを想像していたので、
そこらへんはやっぱり、80年代スキーはウエットすぎるのかなぁ。

なので、
いよいよ本日49歳となりました私と同年代の方にはあまりオススメしませんが、
若くてピチピチだよ、という皆様には、
やっぱり興奮できる作品としてオススメできる傑作ではありました。



トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

やっぱりエログロは園子温に限る(目黒のサンマ調で)『冷たい熱帯魚』 [映画]

     
『冷たい熱帯魚』
2011年公開 園子温作品。

『凶悪』も普通に観られたことだし、
「いつか観なきゃ…」と、心に決めていた作品。
もう五年もたってるんですね~

いいとか悪いとか、好きとか嫌いとか、そういう話はとりあえず置いておき、
何度も何度も笑顔で胸元をどつかれるような、
そういう、言うなれば「胸くその悪い」映画です。

『凶悪』で感じた予定調和感はいっさいなく、
(なぜ比較に出すかというと、無関係の作品なのによく比較されるので)
最初から最後までスピーディーで隙間なく、
村田夫妻の解体作業同様、
職人気質な監督にストンストンと物語に運ばれていく感じ。

ニコニコ笑っていた人が突然牙を剥く感じは、
リリーさん、ピエールさんを合わせても、
でんでんさんの圧勝でしたね~(-_-;)
少し舌足らずで噛みまくる台詞回しも、
村田という人間の愛嬌を表現するのに一役買ってましたし、
血だらけの風呂場で妻と下着姿で解体しながら、
「できないだろ? お前はいいよ」
なんてちょっと苦笑されて優しい言葉をかけられると、
すぐそこで人間を解体しているってのに、
「もしかしていい人?」(社本胸きゅん)
とか思ってしまう。

ただ、園さんは園さんでしたね~(^_^;)
全般的に漂う親子幻想と、それを打ち砕く現実の凄まじさ。
どんなセリフも悲しいほど空虚で、
村田→社本(疑似父子)も響きゃしないし、
社本→美津子も響きゃしない。

二度とは観る気はしませんが、
グロ耐性のある人には、なんかいろいろ打ち砕かれるためにもオススメです。
ほら、世の中って、ふわふわさらさらしたものばかりじゃなくて、
隣でニコニコしてる人が、実は…
ってことを想像するのは大事だと思うんですよ~。
いつまでも親の観せてくれる極甘ディズ○ー作品ばっかじゃなくて、
たまにこういう毒を口に入れると、
いざというときの耐性ができるのでオススメです。

逆に、耐性をつける、という以外では、それほど実りのある映画ではなく、
こういうの好きな人向けのエンターテイメントに徹しているように思えました。
『恋の罪』とか『愛のむきだし』に比べたら、
アイタタ度は少ないです。
ただ物理的にはエグイので気をつけてください。


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

リドスコ『オデッセイ』、自意識ライジングな『ストレイヤーズ・クロニクル』を観ました。 [映画]

     
『オデッセイ』
2016年日本公開作品。
リドリー・スコット監督。
マット・デイモン主演。

二時間21分は長いよッ_/>O
五十分くらいたった時点で、苦々しい火星生活にウンザリしてしまいました。
映画としては面白いんですが、
当たり前っちゃ当たり前に、
肉食宇宙人とか出てこないし('_')
だからもう、ただひたすら主人公に試練を与え続けるんですね。

『アポロ13』と違い、地球側の描写がNASAやロケット関連だけなので、
最後の方で唐突に、
「地球ではこの話題で持ちきりですッ!」
みたいになっててビックリしましたよ。

リドスコの作品として観ると、
ウンコで吐きそうになるとこぐらいですかね~
リドスコっぽ~い、って感じるのは。
個人的には、駄作と言われても『プロメテウス』の方が好きです。
ただ、確かに興行的に当たるのはこっちでしょうね~。
観客を選ばない、適度なドキドキハラハラで、
本当にあったことではない分、誰も傷つかない点も安心安全作品です。

ちなみにAmazonプライムの標準画質レンタル(ストリーミング)なら、
300円でレンタルできます。
お金出しても損した気分にはならない映画なので、そういう意味でオススメです。
ただ、〝リドリー・スコットっぽさ〟を求めると肩すかしを食らうので、
最近ハヤリの万人向けSF映画、と認識して観るのをオススメします。


     
『ストレイヤーズ・クロニクル』
2015年公開。
原作未読。

割と低批評を見ていたので、
それほどまで皮肉めいた気持ちにはなりませんでしたが、
ダメな邦画の見本市みたいでしたね~(笑)
染谷君と松岡茉優ちゃんだけが突出した演技力なのも、
周りがここまで学芸会だと非常に判りやすい(^_^)

これは出演者さんのファンと、
東映マンガ祭り系アクションが好きな人にオススメの作品です。
ほんと、日本のアクション系って
真田広之がヒーローやってた頃から変わらないですよね~(´д`)
『ザ・レイド』とか観ないのかなぁ…。
『ザ・レイド』予告編↓


Xメンっぽく頑張りたかったのは判ります。
それならエキストラを大勢使うより特撮にお金かけましょうよ('_')
お話はもういいんじゃないかなぁ~
CMで染谷君に
「人間どもめッ!」
って叫ばせちゃったから、たぶん誰も物語は期待していなかっただろうし。
「あ、コレはアレ系ですね」
って感じた人以外は最初から観ないでしょう。

超能力×兄弟×バトル
日本でこの組み合わせなら、90年代の『NIGHT HEAD』の方が良かったなぁ。

個人的にはこういうの、時代劇でやって欲しいんですよね~
この国は山田風太郎先生という偉大な奇想天外メーカーを排出しているのに、
なんで作らないのかな~
(今こそ夢枕獏先生とか、菊地秀行先生もアリだよね)
『伊賀忍法帖』とか、原作通りリメイクして欲しいのに~
R15くらいで。
現代劇で、
「ハタチになる前に破綻して死にたくない!」
とか叫ばせるより、
時代劇で奇怪な忍法(使うと心臓とか頭が痛くなっちゃう超能力じゃないよ!)観たいわ~。

いや、まあ、個人的な趣味は置いておきましょう。

とにかくですね、
普通に子供向けのなんとかライダーとか、そういう映画でした。
がんばってオトナとして観るとツライので注意です。
〝自意識ライジング〟系、と理解して
役者さんのポーズなどを生ぬるく見守りましょう。

いや本当に、染谷君と松岡さんには脱帽しますけど(-_-;)
碧を演じた黒島結菜ちゃんは、可愛いけどすごい学芸会で、
セリフを口にするたび噴き出しそうに…。
セットで行動していたのが染谷君だっただけに、
もの凄い違和感が(-_-;)
で、でも、この映画はそれでいいと思いましたよ。
何度も言いますけど、きっと誰も期待していなかったと思うし。

……というか、わたしはけっこうCM観たときは、
それこそ『クロニクル』くらいの
青春超能力ものとしては淡い期待があったことを今思い出しましたよ。

まだ『進撃の巨人』実写版は観てませんけどね~
今からハードルを低く設定する心づもりでおります。

出演している役者さんのファン、
限りなく血の出ないぬるいアクションが好きな方にオススメです。


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

もっとたくさんの人に観て欲しい『将軍の娘 エリザベス・キャンベル』 [映画]

     
『将軍の娘 エリザベス・キャンベル』
1999年アメリカ公開作品。
原作未読。
四回目くらいの視聴です。

このタイトルを見るたび、
昔コサキン(TBSラジオ)で関根さん(ラビィこと関根勤さん)が言っていた、
「コレ、タイトルが違ったらもっとヒットしたよね」
という言葉を思い出します。

〝将軍の娘〟というのは元々のタイトルでもあるし、
変更のしようもなく、確かに内容にもマッチしているんですけど、
たとえば同年代の『羊たちの沈黙』とかと比べると、
インパクトがないのが寂しいですね(-_-;)
……同系統でいうと、
わたしの好きな『閉ざされた森』も、タイトルが違ってたら当たってたかもな~

以前に感想を書いた『告発の行方』→わたしの感想
と同じく、男性にも女性にも性差を考える上で観て欲しい良作です。

以下、ネタバレありの感想が続きますが、
今からでも観ようと思っている方は、ぜひネタバレなしでの視聴をオススメします。
誰が犯人なのか、どういう動機だったのか、
非常にミステリー要素の強い作品です。


続きを読む


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

ある意味型どおりだった『凶悪』を観ました。 [映画]

     
『凶悪』
2015年公開作品。

ウンザリする感じの映画なんだろうなぁ、
と思っていたら、やっぱりそんな感じの映画でした。

あらすじとかは特にいらないですね。
実際にあった事件を元にしているからなのか、
単純に電器屋のじーさんを殺すシーンを長尺で描きたかったのか、
そこらへんの理由は不明です。

特に可も無く不可も無く。
グロいシーンはお化け屋敷程度、
エロいシーンは、
〝第三者(子供だったり)がいる場所で〟
という背徳感がなければ、ただ揺れてるだけです。
(オッパイはチョイあり)

山田孝之分する記者の家庭に、
かなりの長尺を持って行かれています。
128分という、相変わらず二時間越えの中に、
実母と嫁に仕事の邪魔をされるシーンが加わっています。
個人的には、介護問題、嫁問題、仕事問題、
全部を描こうとするのはやめて欲しかった。

特に、原作にある問題提起なのか、
記者がマスコミに属する自身の業に苦悩するのも、
この物語の中では余計かなぁと思いました。
いや、もちろん、それをテーマにしたかったなら、
むしろそちらをもっと重点的に描くべきで、
でも、今作では同じシーンを見せられるだけなんですよ(´д`)
〝…帰宅したら実母がボケてて嫁激おこ、 記者と話し合おうとするが、仕事を理由に回避される…〟
という 面白くもなんともない、
老人を抱える家庭の日常あるあるシーンが、二回も挿入されるんです。
離婚届け出されるシーンとかね。
じーさんが無理矢理酒を飲まされて死ぬ背景で、
こういう記者の日常、必要かなぁ?
描く側としては、マスコミの功罪も知って欲しかったのかもしれないけど、
おかげでつまんない邦画らしく、
素人が観てもカットできそうなシーンがポツポツと(-_-;)
……同じように、
電器屋さん家族を木村ことリリーさんが暗に脅すシーンも、
電話と面談と店への訪問という形で三回もあるんですよ_/>O

過去話を主にするのか、
現在進行形の木村の犯行を主とするのか、
そこも焦点を定めて欲しかったなぁ。

殺害される人間のほとんどが悪人(チンピラ・ヤクザ)で、
庶民が殺されるシーンはほぼないので、
頭の悪いチンピラの暴走とか、
無慈悲なヤクザ同士の凶悪殺人、としてしか感じられなかったのが、
ちょっと残念でした。
木村の娘がチラ見えしたりするので、
どうせなら記者の家庭より木村の家庭が見たかったです。

木村役のリリーさんと、須藤役のピエールさんは、
『黒い家』(原作の、もしくは韓国版の)の菰田を彷彿とさせて、
人間というより、利益を優先する昆虫に近い生物っぽいところが怪演でした。
ただそれも、予定調和の範囲内に収まってしまっていたのは、
やっぱりいまひとつ、作品の残虐性が吹っ切れていなかったせいかと思います。
日本では規制もありますし、
どうしてもお化け屋敷調になってしまうのは、
もう仕方の無いことかもしれませんねぇ。

あらすじを観て、多少のグロなら平気だと思えたなら、
邦画としてはオススメの部類です。
(損壊描写、損壊音、レ○プなどあります。
『乾き。』ほど痛々しくはありません)
ただし、タイトルのインパクトが沸点で、あとはあくまで平均的な作品なので、
エンターテインメントというよりは、
再現フィルム系として観るのがオススメです。


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

普通に『ビリギャル』を観た普通の感想 [映画]

     
『ビリギャル』
2015年公開作品。
原作未読。

良く出来た普通より良質の青春アットホームドラマ。
叫び狂うギャルもいなければ、
家出させるまで子供を虐待する親もいない。
性的悪戯する塾の先生もいないし、
警察の厄介になる同級生もいない。
たとえ吉田羊が古今東西聞き慣れたセリフを涙ながらに訴えても、
そこは素直に「うんうん」と感動できるように作られています。

原作と現実、映画がどこまでリンクしているのか不明ですが、
とりあえず最後に合格することは判っているので、
(タイトルがネタバレだもんね)
艱難辛苦があろうとも安心安全です。
普通に泣き、笑い、感動できる良作でした。
一般的に太鼓判を捺せるオススメ作品です。

以下、
ちょっと皮肉な個人的感想が続きますので、
この作品が好きでたまらない、批判的意見なんて一個も許せない、
という人は読みませんように、お願いします。

続きを読む


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

あの『ザ・グリード』の続きじゃない『グリード from the deep』を観た [映画]

     
『グリード from the deep』
2014年中国作品。

すごく頑張っている、それだけは確かです。
タイトルにした通り、
この手の映画ファンなら大好きな、
少なくともわたしは何度観ても飽きない人生の一本のうちの一本、
(それもどうなの? という声も判りますとも)
『ザ・グリード』という1998年のB級モンスターパニック傑作の、
続編でも関連作でもありません。

関連作かと思ったら、中国作品ですし、
「???」となっていたら、普通に別の作品でした。
クリーチャーがちょっぴり似てはいましたけど、
昔のは深海蛸でしたし、
この作品は一応カマキリ系、ってことらしいです。

お話は、昔からよくある中国の映画風味です。
コメディや、深いんだか深くないんだか判らない家族の絆を描きつつ、
ヒーローやヒロインは、ちょいカッコ悪め、
という古き慣習を守ったテイストであります。

飛行機で行くものすごいリゾート地が舞台ですし、
(全然どこだか判らないんですが…)
金髪や黒人も登場しますが、大半が中国の方で、
すごく見事に、みんな髪が黒いです!
個人的には中国人女性が
(たとえ女優さんとはいえ)
扇情的なビキニを着ていることに感心したんですが、
やはり髪だけは絶対に黒なんですね~

この映画をジャッキー・チェンが活躍している時代に撮っていたら、
ものすごく「やったな!」感があったと思うんですが、
ちょっと時代錯誤感を覚えました(´д`)
エンディングに、スタッフや俳優さんたちが出てきて、
「がんばりました」とか「こういう風に撮影しました」
とか言っちゃうのも、時代錯誤感が(´д`)
……もともと私は、映画の最後をこういう、
メタネタで締めくくるのは大嫌いですし。

でも、すごく頑張った感は伝わるんです。
この作品でいっちょ世の中をアッと言わせてやろうぜ、
という意気込みもすごく感じる。
しかも、たぶん、
このクオリティは、邦画のこの手の作品と同じくらいか、
マシなくらいだとは思うんですよ。
目指したところが『ピラニア3D』とか、ああいう感じなだけで、
中国というお国柄を考えたら、
ものすごい冒険作だと思います。

2010年作品に、香港で製作されたホラー作品『ドリーム・ホーム』(わたしの感想
があり、あちらは傑作ですが、
やはり香港と中国では同じ国でもいろいろ違うんでしょうね。
あれくらい特撮技術を取り入れられていたら、
パクパクものとして、もっと説得力があったでしょうに。

3Dにこだわるとろくなことはないけど、
CGは頑張っていたと思います。
ただ同じような表現やシーンが多すぎて、
緊迫した場面なのに退屈になってしまうのが難でした。

この手の映画には相当アマアマな私ですが、
それでもちょっと、この作品はお暇な方にも薦めにくいです(-_-;)



トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

前作の五倍くらい良かった『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』 [映画]

     
『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』
2014年公開。

面白かったです!
二時間越えのうえ、
まぎれもなく〝マーベルはぁはぁ層〟向けの作品なのに、
私が面白いって言うんだから、よっぽどですよ(笑)

お盆の使い方は
前作の使用方法はなんだったんだよ?
というくらいに洗練され、
まぁ、真似はしたくないですし、
カッコイイかというと、微妙なのは変わらないんですが、
アクションの展開に必須と言えるくらいの幅を持たせていました。
前作では、なんというか……
見てて「ホントにソレ、いる?」って訊きたくなる感じだったんですが、
今作では落としたり投げたりすると、
「あっ、早く取りに行って!」
と焦るくらいには重要なアイテムになってましたよ(^_^)/~○
主役の身の振りが違うなぁと思っていたら、
なんでも主演俳優さんは格闘技をいくつか修練なさったとか。
やっぱりそういう地道な影の努力って大事なんですね~。

更に、前作よりくっきりと浮かび上がったブラック・ウィドウさんのかっこよさ!
それだけに米倉さんの棒演技も光り輝きます!
スカーレット・ヨハンソンさんもぼうだの涙で棒を讃えることでしょう_/>O
ツッコミどころなんてないアクションでした。
私には充分見応えもあり、美しさと共に恍惚とさせられましたよ。

ただし!
物語は数千匹目のドジョウなので、
この手の映画をたくさん観てると、
「どっかで観た」
という展開ばかりなので、そのあたりはご愛敬。
コレはあくまでヒーロー映画で(しかもマーベル)、
ヒーロー側がいかにカッコイイかを描くためだけの
ご都合ストーリーに期待してはいけません。

そんなわけで個人的にはドラマ部分はシラッと観てましたが、
アクション部分になると巻き戻して見直したりと、
久しぶりに本気鑑賞しましたよ(´д`)
デカいメカの重要な部分が無防備とか、
細かい部分なんてノンノン、言いっこなしさ(´д`)ノ~○

残念なのはこの映画、
ソレだけなんですよね_/>O
人にオススメする時(マーベルはぁはぁ層以外の)、
「ただワーキャー言ってるだけの映画だ~いすき(*^_^*)」
という、私みたいに簡単な人でないと、全く薦められない…。

問題点はいくつかあって、
それはこの作品がシリーズの二作目であり、
関連シリーズを含めると『アベンジャーズ』だの
ドラマ版の『シールズ』(私も未視聴)だのと、
前知識、前情報が求められる点です。
すでに二時間越えているためというより、
もともとマーベル系の映画って、
未視聴の人に対する説明はいっさいしてくれないんですよね(-_-;)
また、この作品のみの結末はありはしますが、
核心に迫る問題は解決していないため、
ラストを迎えてもモヤッとする点も困ったモノです(-_-;)

せっかく前作をはるかに越えるできばえだったのに、
あまり一般層には訴えかけられなかったのだろうなぁ。
見た目が一番かっこ悪い(当社比)ものなぁ。

しかしそれでもやっぱり、
私としては普通にワーキャー映画を観る人なら、
マーベルのめんどくせー情報とかは無視して、
ぜひともこの作品を観るのをオススメします。
アクションとしてはそれだけの価値が充分にありました。

注・
吹き替え版ですが、
溝端淳平さんは全くキャラが合っていない上に棒なので、
もはや擁護のしようもない惨事になっておりました(-_-;)
でもほら、別に、私はドラマ部分はシラッとしてたので、
特に希望はないです。
俳優のキャスティングは、
たとえばニュースとか情報番組などで
三分ばかりでも宣伝してもらうためだと思います。
しかし積極的な俳優さんなんかだときちんと、
たとえばSNSとかでも たくさん宣伝したりするけれど、
自分からはまったく宣伝しない俳優さんもいるし、
うーん……
いたずらに出演料がかかって
厭がる人たちを怒らせる効果の方が高い気がします。
特にマーベルはいい加減、観る層が決まってきてますし。
でも、それでも、やっぱりできることはやりたいのが配給会社さんなんでしょうね~


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

どっちも微妙な『鬼はさまよう』と『ゴーン・ガール』 [映画]

     onisama.JPG
『鬼はさまよう』
2015年韓国作品。

役者陣はいい感じに善玉、悪玉、箸休めキャラを演じてらっしゃいましたが、
いかんせん、物語のテーマ性が薄すぎる。
そもそもは何を描きたかったのか、
どこらへんに監督さんの猟奇的な美意識を割いたのか、
肝心な部分が「どっかで見たような描写」に終始していたので、
〝ここぞ〟というハイライトは見つかりませんでした。

・雨の中の追いかけっこ。
・一瞬目を離した隙に消えてしまう重要人物。
・刑事の身内から被害者。
・犯人の動機が不明瞭。

そういういくつかの韓国映画のお約束を踏まえたうえでも、
『チェイサー』とか、『殺人の告白』とか、
後発でも傑作は出てくるので、
やっぱりどうしても期待が大きくなっちゃうんですけど(^_^;)

『ビー・デビル』のコメンタリーで、
「わたしたち(日本の韓国猟奇系映画ファン)が思うほど、
韓国ではこの手の映画は作っていなくて、
やっぱり恋愛ドラマが主流。
この手の作品(猟奇系)はダメダメなのも多い」
って言われてましたけど、
この作品はそのダメダメな方に入りそうです。

主役と、その義弟の葛藤がドラマの核なんでしょうけど、
どちらの感情も言ってはなんですが、
かなり〝ありきたり〟なんですね。
被害者の主人公の妹さんが、実は妊娠していたとか、
事件の日は三人で夕食を食べて、
そのサプライズ発表をしようとしていたとか。
そういうネタで悲嘆を倍増させようという作り手の作為が見えすぎて、
あまり心を〝持っていかれない〟んですよ。
韓国映画では、この、〝持っていかれる〟感があると、
些細な欠点も目をつぶりやすくなるんですが…。
特に警察の無能っぷりとか(笑)
「そこまでひどくないだろう」
って思わずに済むというか。

『殺人の告白』では、後手に回る主人公と同調する展開から、
ラストの種明かしでのカタルシスが凄まじく、
(興味のある方は絶対にネタバレなしで視聴してください)
別々の道を進みながらも犯人を追い詰めていく被害者遺族たちの悲憤が、
これでもかと感じられたし、
たぶんこの作品も、
あんな風に感情移入させたかったんじゃないかなぁとは思います。

ヤクザネタがいらなかったんじゃないかなぁ(^_^;)
あのネタで話を引っ張るより、
個人的に好きな描き方ではないですが、
『悪魔を見た』っぽく、被害者が何をどうされたのかを描き、
(この作品でも刑事の妻の妊娠女性が被害者となり、恐ろしく残忍な目に遭います)
犯人がどういう気持ちで犯行に至ってるのか、
そっちに比重を置いた方が、
むしろテーマが浮き彫りになったような気がします。
どっちにしてもウンザリすること請け合いですけど…。

あと、ちょっと蛇足ですが、
犯人をサイコパスとしてここまで〝わかりにくく〟描く必要はない気がします。
サイコパスの怖いのは、非日常性があらわだからではなくて、
日常にひょっこり潜んでるからです。
普通に挨拶していた隣人が、
タケノコの皮を剥くように人の皮を剥いでいたら…という恐怖。
この作品の犯人は、顔つきからして異常者ですし、
絶対に職質にあいまくる目つきと態度です。

うーん(´д`)
もうこの手の韓国作品は、
相当ハードルが上がってしまっているので、
あまりこういう猟奇殺人事件ものは観ない、
という人ならばドキドキしつつ観られると思います。
そうでない人には、ちょっとオススメできません。


     
『ゴーン・ガール』
2014年公開作品。

デビッド・フィンチャーらしい良作。
世間ではかなりの高評価。
でもフィンチャーっていつもこんな感じの作品なので、
それほどビックリ展開には感じませんでしたね。
フィンチャーの作品は代表格はいくつか観てるんですが、
(『エイリアン3』『セブン』『ゲーム』他)
今までスッキリさせてもらったのは『ゲーム』だけですね~
(『ドラゴン・タトゥーの女』は、特にフィンチャー臭さなかったですし)
この『ゴーン・ガール』にしても、
ベン・アフレックの中途半端なイケメン風存在感も含めて、
始終モヤモヤして、ラストもモヤモヤして、
結局モヤモヤ感しか残らないという。
伊東四朗の頭に緑のトゲトゲボールがたくさん降り注ぐ展開です。
(嘘です)

今までフィンチャーの作品に触れてこなかった、
という人には、入り口としては良作なのではないでしようか。
展開としての納得感とは裏腹の、
なんていうのかなぁ……
フィンチャーって人は、実はすごく恵まれた人で、
幸福が判らないくらい不幸に憧れてるのかな……
とか、うがった見方をしてしまいます。
この作品でも、
旦那さんは自分が恵まれた立場にいたことを鑑みてないし、
奥さんは更にすごい、超のつく
〝わたしがヒロインじゃなきゃイヤっっ〟
という性格(´д`)
このすごい非常識な展開や、異常な精神構造がなかったら、
フィンチャー作品らしい物語にはならないから、
ソレはソレ、ってことなんでしょうけどね。

ちなみに、わたしはフィンチャーだとは思って観てなくて、
途中で、「アイツなんじゃねーの?」
と、思ったらやっぱりそうだったという。

だからフィンチャーが元々好きじゃないという人は、
観ない方がいいですよ。
わたしも実は『エイリアン3』が大嫌いなんで、
かなり苦手な監督さんなんですが、
『ゲーム』は好きなんですよ(-_-;)

また『ゲーム』みたいなスカッとする傑作つくってくれないかなぁ。
でもアレも、『セブン』系が好きなファンの人には、
駄作って言われているんですよね~しょぼん(´д`)

とにかくフィンチャーがどういう監督か知ってる人には高評価です。
そうでもない人にとっては、「またか」って印象が強い。
好きな人には好かれる、っていう、
ある意味監督冥利に尽きるんじゃないかな、という作品。

ラストは賛否両論ですが、
わたしなら、寝首をかかれそうで一生熟睡できない生活はごめんです。

この作品は、むしろ普段、映画はあまり観ない、
っていう一般の方に、前知識ナシで観てもらうのがオススメかもしれません。
特にゲスなんちゃらの鬼頭みたいな頭した人は、
配偶者や浮気相手の方と観ると主人公に共感できるかもしれませんね。


トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。