『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と『インターステラー』 [映画]

     
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
2016年公開作品。
ザック・スナイダー監督っていうのは、
私の中では面白い系と「よくわかんないな」系の人というイメージで。
この作品は後者だったわけです。
完全版とかいうのがあって、それを観ると謎ポイントが判るようですが、
¥500出してHV映像版レンタルした身としては、
「かんべんしてください_/>O」
としか言いようがないかな…。

版権の関係で、とにかくもう一つアベンジャーズを作りたい大人たちが、
頑張って毛色の違う方向のヒーロー大集合もののプロローグを作った感があります。
特にラストのとってつけた感のある
「ん? どっかで…見…た? ような…」
アベンジャーズと互換してるヒーローがポロポロ現れるのには、
いかがなものかと首をひねることしきり(-_-;)

ただベン・アフレックのバット・マンは想像よりずっと良かった!
やはり期待しないのが吉ですな。

とにかく全体的に暗くて黒い!
愛するジェシー・アイゼンバーグが悪役(なんとレックス・ルーサー)として登場するので、
いちいち吹き替えと字幕で切り替えるバカな私でしたが、
その悪行も、頭脳明晰な人の方法とは思えず、
つまりやっぱりお話に関してはアベンジャーズ同様、
もうヒーロー大集合でドカバキやらせて、それを愉しむ!
と、割り切るしか意味は無いのかもしれません。
正直、この手の作品で三部作とかやられたら、
今以上に日本での収益は見込めなくなるのではないかなぁ…。

ただ、そういったマイナスポイントを差し引いてなお、
すべての功績をかっさらっていったワンダー・ウーマンのカッコ良さよ(>_<)
♪デレレデレデレデレデレデレ~
という超絶テーマソングだけで白飯三杯いけまっせ!
子供のころ、一番好きだったのはワンダー・ウーマンでしたが、
なつかしかったなぁ。
あの金の投げ縄とか!

う~ん……
そういう意味で、インヒューマンのヒーローヒロインがワラワラ出てくると、
バットマンって、頑張ってるけど〝ただびと〟なわけで、
そういう良さとか、親近感とか、共感とかがあったら、もっと良かったのにな~。

沼の住人としては、スーパーマンことヘンリー・カビルさんの美貌で三杯飯かなぁ。

この手のワーキャー映画が好きな人なら、きっちりお金をかけている映画なので、
充分に観る価値はあります。
ただ、『マン・オブ・スティール』とか、『バットマン三部作』とかみたいな、
ノーラン調のリアルヒューマニズムヒーローを期待するのはいけません。



『インターステラー』
2014年公開。
で、実はこっちがクリストファー・ノーラン監督作品、という、ね。

ところで、何度も言うけれど、わたしはパラレル・ワールドと、
タイム・パラドックスを肯定した物語が大嫌い!(笑)なんです。
有無を言わさぬ力で納得させられるSF作品もあるにはあるけれど、
たいていの場合、上記の条件はお話をご都合主義にしてしまう手段なので。
逆に言うと、
わたし程度の者なんか、ボケッとしているうちに納得させてしまうSFもたくさんあります。
その中の一つで、わたしが生涯その感動を忘れないのが、
ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』です。
↑ この作品については、本が好きな人やSF好きな人や、
「わたしはヲタクです」と自認する人なら読了しているとは思いますけれど、
なにしろハインライン、1957年の作品で、
わたしの時代ですでに〝古典〟と呼ばれていましたから(^_^;)
知らないなぁ、という方で、インターステラーが面白かった、
という方はぜひ一読してみてください。
あ、もちろん、逆にいろいろ読んだ末に、
『夏への扉』なんてっケッ、ていう人がいるのも、それはそれでアリなのです。
わたしがタイム・パラドックスが受け付けないように、
ミルフィーユみたいな平行宇宙ものが大好き!って人だってたくさんいて良い、
それがせっかく日本でいろんな作品に触れられる自由だから。
ただ、〝SFってどういうものなんだっけ?〟
って思った時、そんなに難しく考えなくてもいいよ、
って、万人に扉を開けてくれるような、そういう優しい作品なのは確かです。

そしてこの『インターステラー』。
なっげーーーーーっ_/>O
アホかってくらい長い(-_-;)
2h49mって、ほんとアホか(笑)
その三時間近いドラマの中に、
これでもかと、最後にわたしたちを納得させるための縦糸、横糸を紡ぎまくります。
わたしは最初の十分くらい、まず飽きて、
「これ、SFですげーって言われてなかったっけ…?」
小麦農家の話だっけ? と、ダラダラしておりました。
しかしダラダラ観ていてもお話はなかなか進みません。
いや進むんだけど、そして、あとからその一つ一つが、
「ああ…」
と納得させられもするんだけれど、
一時間観ても、まだ半分じゃないという、ね(笑)

この物語については言うことはないです。
興味がある人はすごく時間のある時に観てみてください。
ダラダラ観てても、やがて
「どういう話だろう」
と考えながら観始めれば、
最後には納得して感動できると思います。

好きな映画かどうか、と訊かれたら、それは違うんですよ(笑)
二度は観られないし、観たくないんです。
それはたまたま、わたしが観たタイミングが、
飼い猫の死を覚悟しなくてはならない時期だったからです。
時間というのは永遠のものではなく、
伸び縮みする始まりと終わりのくっついた紐のようなもので、
わたしたちはそこに点在するスポットだと考えています。
そのスポットは点滅して、いずれ消えてしまう。
終わりに飲まれて、あるいは始まりが起こって。
点滅の速度や、終わりの速度は様々な影響で変化する。
でもね、そういうこと、考えたくない時期だったんです(笑)
なのに思考させられて、ラスト付近では何回も泣かされてね。
ただこの感動や苦痛は、上記した、『夏への扉』を〝文学〟として認知できない人には、
理解しがたいものかもしれません。

最後まで観て、つまんない、と感じてもいいと思うし、
それ以外の感想を抱くのもいいと思います。
わたしは二度と観ませんが、この作品はSF傑作だと思いましたよ。
万人にオススメです。

……ちょっと蛇足なんですが。
『プロメテウス』が最初の宣伝の雰囲気では、
こんな感じを想像していたんですよ(笑)
人類の起源とは、とか、生命の始まりとは、とか。
そしたらアレだったじゃないですか(笑)
で、アレはわたし、何度も観るんですよ、傑作とは思わなくても。
結局、映画ってそういうものなんですってヾ(^_^;)


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生涯でオススメする映画を残すことにして一弾目が『ジェヴォーダンの獣』 [映画]

     jevo.JPG
『ジェヴォーダンの獣』
2001年公開作品。
製作国=フランス

昔、HPで感想を載せていたんですが、
今、そこは見られないので改めて(^_^;)
(なんとPCがボロボロのせいで自分でもサイト情報に入れないというアリサマ)
古い犬のせいか、思い出すのが昔の作品ばかりで、
そもそも好きな映画が1980年代から2000年代初期という感じなので、
軽く十年たってるのに、うーん、
どうやら一世代たってしまって、あまり認知されていない傑作が埋もれつつある、
と思いまして、自分なりに過去作で〝わたしの好きな映画〟をご紹介していこうかと。
注・好きな順ではなく、思い出した順に。
また、あくまで個人的なオススメなので、同じ系統が好きだ、
という方が参考にしてください。

その一弾目が、
『ジェヴォーダンの獣』であります。
この当時、フランスでは、脱ハリウッド! 越えろハリウッド!
が、合い言葉のように、サイコサスペンスやミステリーの名作を実写化していました。
注・『羊たちの沈黙』米が1991年。
『クリムゾン・リバー』仏2000年。
『薔薇の名前』仏はなんと1987年。
(死ぬほど可愛らしい見習い修道士のクリスチャン・スレイターが見られます)

ものすごく良く出来たアクションミステリーですが、
当時としてはヒットしなかった記憶があります。
(わたしはすごく好きで、DVDも持っています。買っておいてよかった)
理由の一つとしては、
この、主題となっている〝ジェヴォーダンの獣〟というフランスの古い都市伝説、
(日本でいうなら『番町皿屋敷』くらいの感覚だろうか…)
日本人には馴染みが薄い_/>O
また、当時の感覚としては洋画の主人公は〝知った顔〟が必須でした。
ジャッキー・チェンとか、トム・クルーズとか、
名前を聞いただけでどんな映画か想像できる感じの(^_^;)
しかし、サミュエル・ル・ビアンって誰?
マーク・ダカスコス??
有名俳優がまったく出ていないわけではなく、
脇役としてはヴァンサン・カッセル、モニカ〝超絶美女〟ベルッチもいるのです。

本当は何も聞かずに観て!
と言いたいところですが、それじゃあ良さが伝わらないので、
いくつか観てみてポイントを…。


その①
とても見やすいアクションを観て!
最近の3Dとか、CGとか、ブルーライトとか、
とにかくせわしない画像に虐げられた目には、
〝何が起こっているのか一度で判る〟映像というのは、
とてつもない価値を感じられるのではないかと思います。

冒頭のどしゃぶりの雨の中、現れる妖しげな黒ずくめの異端の二人組、
泥まみれで逃げ惑う父と娘、それを追う蛮族。

この、冒頭のシーンだけで二人組の役割、性格が判るのがすごい!
一方は明朗快活な金髪、一方は寡黙だけど〝忠実な〟異端(インディアン)。
この〝忠実な〟というところが、実は重要です。

アクションシーンは満載で、
手を変え品を変えやってきますので、
わたしのオススメとしてはめずらしく138分という長丁場ながら、
飽きることはありません。

その②
フロンサックとマニの関係を観て!
上記に書いた金髪がフロンサック、
インディアンがマニです。
フランスを巡る便宜上、マニはフロンサックの〝忠実な〟召使いというポジションにいますが、
実際には新大陸で出会い、命を預け合った経験から、
義兄弟の契りを交わした非常に親密な間柄です。
この二人に関しては、損得や欲にまみれた他の登場人物たちの中にあって、
異質なまでに聖性が強く、お互いの間では裏切りや誤解のない、
とてつもなく真摯な絆によって描かれています。

実はマニは
(ここはさすがにネタバレきついので、数行空きます。
ここまで読んで、ネタバレなしで観ようと決めた方はスルーしてください)






蛮族(反逆者)に殺されてしまいます。
生死を崇高に扱うモホーク族の誇り高い戦士が、
残忍な殺され方をしてしまうのです。
フロンサックの憤怒は頂点に達し、
義兄弟の復讐のため、〝フランス人の紳士〟としてでなく戦いに赴きます。

この、マニの死が泣かせるのは、
もちろんただ死んだ、というだけでも悲しいんですが、
博物学者であり、〝獣〟の正体を探るフロンサックに真相を突き止めさせるため、
自分の遺体をきっちり彼の手元に届くようマニが逃げているところなんですね(T-T)
フロンサックは血まみれのマニの遺体を洗い、
傷を検証し、誰が犯人か、どんな奴にやられてしまったのか、
みずからの手で義兄弟の検死をすることで到達するのです(T-T)

最後、フロンサックは愛くるしいヒロイン、マリアンヌとフランスを去ります。
でも彼の寂しさ、虚しさは、きっと死ぬまで誰にも埋めきれないことでしょう。

その③
難しいことは抜きでストーリーを観て!
この物語のプロローグは、実はフランス革命の夜が描かれています。
語り手の伯爵は、獣退治の当時まだ少年で、
つまりはそういう時代感なんですね。
政府の転覆を謀ろうとする有象無象がゴチャッといる。
注目して欲しいのは、モニカ・ベルッチ分する謎の娼婦、シルヴィアで、
実はupした画像の左端、おかしな鉄扇を持っているのがその人です。
彼女は法王庁からの諜報員で、聖書を歪める背信者を捌く処刑人でもあるんですね。
彼女の必殺シーンは一度しかないんで、もったいないんですが、
それだけに目を離さないで!

物語は、フランスの歴史や、聖書をからめないと本質的なところは意味不明なのかもしれません。
でもそういうのを抜きにして、普通に、
〝貧しくておかしな宗教にハマった人たち〟と、
〝田舎が気に入らなくて都会に復讐したい貴族〟が手を組み、
政府転覆を謀る、というのが骨組みとして判ればいいかと。
そしてこのドロッとした憤懣やるかたない背景に、
実の妹によこしまな恋着をする兄、
そんな兄の気持ちも知らず蝶よ花よと愛でられてフロンサックとの恋愛を愉しむ妹、
人を騙そうとする神秘を暴く主人公フロンサック、
そんなフロンサックを守護するマニ、
と、魅力的なキャラクターが愛憎渦巻くストーリーを展開するわけです。



さて、
いかがでしょう?
ちょっとでも観たい、という気持ちになっていただけましたか?
腐女子寄りのオススメの仕方になってしまったかもしれませんが、
男性が観ても普通に楽しめるアクション作品です。
Amazonではレンタル落ちとかしかないようですが、
TSUTAYAディスカスではDVDレンタル可能です。

作品として、観て損はしないと思いますが、
わたしとは嗜好が違った場合は、いかんともしがたいものがあります。
また、古い映像は見るにたえない、という場合も、
それじゃあどうしようもない、としか言いようがありません。
あくまでも、〝わたしのオススメ〟ということで、
埋もれた傑作、ぜひ一度はごらんになってみてください。


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梅雨があけたよ『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』 [映画]

     
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』
2015年公開作品。
実写版の後編でやんすね。

なんだかんだ 熱くおしゃべりする題材があった分、前編の方が良作でした。
後編は前編以上の舞台感が強まり、
背景の前で同じセットの中、舞台調のクサイお芝居をする役者さんが、
一人減り、二人減り…。
最後まで残された人の地獄(^_^;)

今更あれこれ細かくツッコむ必要はないと思うので、
詳細ははぶくとして。
この作品の場合、
「なんでやっちゃったかなぁ _/>O」
と、思わずにいられた関係者の数が、『ルパン三世』実写版より少ない気がします。
まだ一年しかたっていないのに、
すでに風化感がもの凄いですし、
続編つくる気満々だったラストも、失笑を禁じ得ません。

前編を観た人なら、
おつきあいとして観る価値はあるかもしれません。
前編で もういらない、と思ったなら、観るべきところはありません。

残念だったのは、前編でそれなりにゴアにこだわっていた部分がなくなり、
ものすごい狭い世界でのウルトラマンになってる点です。
(結果的にウルトラ兄弟VS怪獣 +地球防衛軍という、三人プラスアルファだけの闘争)
ウルトラマンだったらよかったんですけどねぇ。
ゆっくりした巨人の動きに、プロレス技、
血しぶきや肉片は飛び散るけど、
観ていて飽きちゃう、ってことは、こだわりがないせいでしょう。
世界の終わりを気取ってる割に、とにかく人がいないので、
もうこの世界は終わってもよくない? と思ってしまいました。

前編でエレンに冷酷だったミカサが、
唐突にデレた理由も、ちょっと生死を懸けたドラマとしては甘いかと。
世界観がハチャメチャ終末ものって感じなら、『ドゥームズデイ』→わたしの感想
っぽい方が、わたしは好きだなぁ。

今作を単独で観ようという方はいないでしょう。
あくまでも前編を観て、「まぁまぁなんじゃないかな?」
くらいの優しい気持ちになれた方が、
「ラストがどうなるのか観たい」 と思った場合のみ、
最後まで観る価値があるかと思います。

しかしながら、観る価値があるかどうかは はなはだ疑問で、
クソ映画の烙印を捺されつつ風化するのだろうなぁ、
という感想を抱いた後編でした。
なんらかの鑑賞理由がない限りは、オススメはできません。
ちなみに、わたしの鑑賞理由は、
〝ワーキャー映画が好きだから〟というだけです。


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梅雨があけないジメっとした中、WOWOWで観ました『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』 [映画]

     
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
2015年公開作品。
原作10巻くらいまで読んでいます。

公開されたばかりの頃、諸問題で荒れていたことが昨日のよう…(´д`)
意見が真っ二つに割れていたことが記憶に新しい感じです。
でもまぁ、とりあえず観て最初に思ったのは、
やはり人気の映画評論家が脚本に加わるのは反則かなぁ、と。
ぶっちゃけ、この方と関わりがあったり、
もともと歯に衣着せぬ評論で人気のある方だから、
同じ系統の方がお仲間なのに、公開後の批評サイトは、
なんというか、歯切れが悪かった記憶があります。
いわく、「僕は好きですよ」とか、
このシーンは好きです」とか。
逆に、まったく無縁のブログの感想を読むと、
高評価、好印象の感想は少なかったので、
けっこう悩んでたんですよね。
宣伝は面白そうに作ってたじゃないですか。
でも、行かなくてよかった(^_^;)

だからって誤解して欲しくないのは、
この映画、決して適当には作られていないと思うし、
邦画としてはがんばれるところはがんばったんだと思います。
面白くない、と言い切れるほど悪い感じでもないし。
アカンと思ったところはオリキャラでテコ入れもしています。
……(↑補足)このキャラはいいじゃない、
と、思った二人が二人ともオリキャラだったので。
(ちなみに大斧持ちのサンナギと、愛に爆走リルちゃんです。
どっちも素晴らしいアクションだった。特にリル役の武田梨奈さんは最高)

ただもう、ほんと、死ぬほど議論されてきたのは判るんですけど、
名前がアカンて!
洋服とかもアカンて!
コレ、大魔神なら良かったのに(笑)
全員もろ日本人顔なのに、エレンとか、ジャンとか、おかしいやろ_/>O
中世ヨーロッパ感出し過ぎ、ニワトリがコケッコ言い過ぎ。
CGが変とか、もろセット感とか、そういうのはどうでもいいです。
そんなものは、誰も邦画に期待なんかしてないでしょう、もう。
以前にくどかんとみうらじゅんさんの対談かなんかのやつでも、
「日本人はハリウッドに毒されてる」
みたいに言ってるのを読んで、
時代に即してない意見だな、と思ったって書きましたけど、
やっぱりそう感じましたね。
だってわたしとか、普通にZ級映画好きですし、
ニコニコで『シャークネード』とかやってりゃ、
ほいほい観に行きますし(しかも何度でも)。
みんなアサイラム好きだよね!?

この映画はその点では充分鑑賞に堪えうるデキでした。
多少ヘンでも、別にそこを突っ込む日本人はもうほとんどいないですよ。
逆に、CGが~とか言う大人の日本人は、
邦画がどういうものか理解していないんだと思います。
……(↑補足)技術的な問題ではなくて、もっと根深い問題ですね。
これはわたしがアニメ業界の末端に関わってた時と変わらない、
いわゆる、映画やアニメを好きな人ほど、業界で搾取される問題が、
いつまでたっても解決されないという点に根ざしてると思います。
こんなの日本だけだろ……
有名監督ほど原作付きを巨大予算でさせられたりね。
(でもその予算の大半はキャストの出演料や、
有名なスタッフにドバッといっちゃうんですよ)

メモを見ると細かいツッコミが(笑)
きれいな布を染めているのに、それを使っている服とかは出てこないとか(笑)
金持ちがいて、三等市民みたいなのがいる、って設定がハンガーゲームみたいとか(笑)
音楽がだせー、というのがメモに何度も出てきています(笑)
音楽はほんと、一部を除いて舞台ものみたいで、ダサかった。
あとは、邦画でいつも思う、滑舌悪すぎ問題。
もう巻き戻しもしませんでしたけどね、
主人公が「そうださん」って言ってたらしいんですけど、
わたし「そうだろうさん」とか聞こえましたし。
なんで五文字が七文字で聞こえるのか…。
舌長すぎか。

いや、しかし、誉められていたゴアシーン、巨人そのものの造形は、
わたしも良かったと思います(*^_^*)
それだけに、名前の違和感がぬぐえないのがもったいない。
巨人はあんなに、もろ日本人のどこにでもいそうな、
『SIREN』風味が最高なのに_/>O
あの不気味で怖い感じ、わたしは好きです。
パクパクゴックンも、「ここは容赦なくいこう!」って決めたんだろうな、
って、すごく聞こえてきそうに容赦なかったし。
あ、それで思い出した…。
結婚が許可制、ってのが意味不明だったなぁ。
乱交とかOkでいいんじゃないんですか?
町に子供が少なくて、
(映画の内容的に、子役をパクパクのシーンに増やせなかったというのもあるんでしょうが)
たくさん産んで増やさないと、食べられちゃうのに、と思いました。
食いぶちがどーの、って言ってましたけど、
それは壁で……って、いろいろ書こうとしましたけど、
マジメに考えるのは馬鹿げてるのでやめます。
そもそも原作ファンの方には申し訳ないんですが、
わたしが10巻で読むのをやめたのも、
そこらへんの、〝なぜなぜなーぜ〟が納得いかなくなったからなので(^_^;)

名前の違和感と、セット感と、お芝居の雰囲気から、
これ、舞台だったらなかなかいいんじゃないかなぁと思いました。
映画にしちゃったからなぁ。
長谷川さんとか、わたし大好きな役者さんなんですけど、
こういう役で気の毒でなりません…。
カッコよくもないし、ただ変な人なだけやん…。
時代劇口調だし…。
これホント、リヴァイさんにしてたら暴動起きるレベルでしたね。

あとですね、わたしは原作から離れてる人間ですが、
それでもやっぱり、ミカサがエレンラブじゃないのは、
あまりにもあんまりじゃないかなぁと。
それで思ったのは、
たぶん原作をチラ見したエライヒトが、
「エレン、ミカサ、リヴァイの三角関係にしてください」
とか、
PG12にしちゃったから、
「男女ドラマを加えて大人が愉しめるようにしてください」
とか、
「なんだったらキスとかセッ○スしてください」
とか、条件バンバン出してたんだろうなぁと……
そう思うと、ある種の同情が湧いて、例の味噌汁話思い出すけど、
映画ってそういうんじゃないよね。
……(↑補足)つまり、同情して点を甘くするとか、
そういう条件がたくさんあるんだから許してあげようとか、
お金取る創作ってそういうもんじゃない、という意味です。
お金取らなかったら良かったのにね。

最後に、
エンディングのデザインが格好良くて良かったんですが、
歌がひどい!
別にあのグループが嫌いなんてことはないんですけど、
世界観が合わなすぎでは…。
いや、それも、上のような、
「テーマソングはセカオワに頼んでますんで」
という鶴の一声で問答無用だったんでしょうね…。
わたしはまだアニメ観てない年寄りなんですが、
それでもアニメ版のOPとかは観てますし、
歌はすごくよござんしたよね。
やっぱりイメージはああいう好戦的で『進撃』って感じがよかったなぁ。

というわけで、今日は緑内障の定期検診がありましたんで、
後編は明日以降、観ますけど、
とりあえず前編の感想でした。

思うに、観たい人は好意的だろうと悪意的だろうと、
すでに観ていると思うので、観てない人の中でも、
どうしようかな、と迷ってる人には、
「これは邦画なんだ」
と、肝に銘じて観ることをオススメします。
……そういう優しい見方って、どうかな、とは思うんですけどね('_')


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冷静と情熱の間で『チャイルド44~森に消えた子供たち』 [映画]

冷静と情熱の間にあったのは私です。

あの~『ハンニバル』にハマッて、
というか、pixivですごく好きな小説作家さんがいて、
まぁ、説明は難しいんで、はぶきますが_/>O
要するに好きなあまり、やっぱり同人誌出されてらっしゃるとなれば、
そりゃあ欲しいじゃないですかぁ(T-T)
もう私なんて、棺桶に片足突っ込んでる身ですし、
イベントには行けないんですけど、
この方の御本だけは伏しておねだりしたい、
twitterなんて2009年によくわからない理由で登録して以来、
ほとんど機能させていなかったから、
使い方がまったく判らないのに、
鍵付きのアカウントにフォロー申請をしたり、
間違えたり、そりゃあもういい年して大騒ぎさ_/>O
というくらいには好きな作家さんなんですね。
これ、情熱。

でもほら~
『好きです』
と告白はしたものの、振り向いて欲しいとか、わたしを見て、
とか、それはほら、おいおいというか、
そこらへんって、なんか甘酸っぱい微妙さあるじゃないですか~。
ここらへん、冷静。

そんな感じで熱く応援しすぎて〝空気読まない奴〟にだけはなるまいと、
年相応におっとり応援しようと、
冷静と情熱の間に身を置いていたわけですよ。

あ、なんか長くなっちゃった……

映画の感想やっときます。

     
『チャイルド44~森に消えた子供たち』
2015年公開作品。
原作未読。
ものすごく硬派な猟奇ミステリーというイメージ。

難しい。
一言で言ってしまうとコレに尽きる。
1953年のソビエトの様子なんて、想像するだに身が縮みます。
わたしは1967年生まれですから、
ロシアとソビエトっていうなら、やっぱりソビエトの強さとか、
秘密めいた国の怖さとか、末期の混迷とか、一応意識にはあります。
小学生の時、友人の父親が自衛隊員で、ソ連に引っ越して…
当時としては希少な体験を聞いたりもしたものです。

とにかく映画では、ひたすら足を引っ張り合う共産国のダークサイドが描かれており、
画面も寒々しく、街は薄暗く、歩む人たちは小汚く背を丸め…。
ちょっともう、そんな前からここまでホントにひどかったんかい?
と、ツッコミ入れたくなる暗澹たる国家体質。
その最たる悪習が、「楽園に殺人はない」という断定。
これのせいで殺人鬼のさばり放題ですわな。

主人公はひたすら にぶい!
国家の英雄なんだけど にぶい!
実直なのはわかるけど、にぶい!
主人公がまったく策を弄することの出来ないタイプなので、
猪突猛進、壁は壊して進むのです。
それにしても、ここまで素直で悪気のない旦那さんに、
隠し事の多すぎる奥さんは奥さんで にぶい!
物語はこの にぶい夫婦の紆余曲折と、
話が半分くらい進むまで誰が誰だか区別のつきにくい男らの
陰湿な足の引っ張り合いと、
動機とか理由とかわけわかんない変質者の動向と、
この三つを軸に、わずか137分で解決しようとするのだから、
難しいはずだよッ!

そしてどうも最近見なかったら、
こんなところでエライ人の役をやってたヴァンサン・カッセルさんとか、
(お願いですから、皆様、『ジェヴォーダンの獣』観てください_/>O)
ふんわり登場して、ふんわり優しくしてくれて、
ふんわり退場なさったゲイリー・オールドマンとか(´д`)
ゲイリーさんは 昔なら出てきたらどんな悪役かと思うとこなんですが、
バット・マンの署長役以来、悪いことしなくなりましたね(´д`)
そんな風に、結構良い感じの役者さんが出てるのに、
なんだか映画じたいはパッとしませんでしたね(-_-;)
わたしはスラッと上背に軍服ぴったりのジョエル・キナマンさん好きでした。
主役はマッド・マックスのマックスや、ダークナイトライジングのベインや、
つまり振り幅の広い役者さんのトム・ハーディーさんで、
マックスとかベインよりはきっちりと演技されていて、好感度高しでした。

これはいつものアレですが、
猟奇殺人ものとして観ると物足りず、
ソ連の暴露話としては説明不足のうえ、
男たちや女、子供の思想を揺さぶるドラマとしては成り立っていない、
という……
どこもかしこも足らない感じの迷作になってしまった感があります。
原作が分厚い文庫二冊分と考えるとさもありなんで。
ちょっと勿体ない(>_<)
思い切って共産の背景をぶった切るくらいの英断が必要だったのかなぁ。
キャラも親友とワシーリー君を消しちゃうくらいの。
そうするとそっち方面は描かなくて済むので、
殺人事件と夫婦の葛藤に重点おけたよね、という(-_-;)
だって一応、これって〝消えた子供たちの謎〟を追う話なんですよね……

そんなわけで、
あれこれと物足りない箇所はある、と承知したうえで、
重厚な空気感とか、ピリッとした人間関係など、
エンターテイメントを期待せずに観るならばオススメです。

……そういや、泥の中で戦ってる時、
『エネミー・ライン』思い出したな~
もう十五年も前の作品なのか!
これもボスニアやセルビア、謂わばソ連崩壊後にまつわる悲劇が背景にありましたね~


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ネタごとまとめてあげていく『THE FADES』『Recザ・クァランティン』『ある優しき殺人者の記憶』 [映画]

     fades.jpg
『THE FADES』
2011年のイギリスのテレビドラマですね。
途中まで観てて、huluに加入したら、
続きが入っていたので最後まで観ました。

最初の方は青春ものとして悪くなかったと思います。
テーマはかなりメチャクチャで、
というか、コレ、どういう作品なのかよくわからないんですよ。
一応、ゾンビ系幽霊退治もの? なのかな???
と思って観ていると、
ムチャクチャな心霊観、宗教観で、
「いくらなんでも……」
って展開が目白押し(-_-;)
さすがに死んだ人の魂は限定ポイントから、
運だけの理由で昇天可能、
って、ちょっと納得しがたいシステムでは?
なんにも悪いことしてなくても、運がなかったら地上をさまようって、
改めてムチャクチャな心霊観だな…。

素直に若者たちを主人公にした物語にすればいいものを、
変に大人たちのアレコレを導入するので、
振り幅がひどい_/>O
主人公を導くはずの大人の男性が、
最低最悪なダメ人間なのもツライ。
(コイツがせめてイケメンだったら…)
この男、同年代の女性にはフラレるわ、
フラレて相手にされていないのにしつこくするわ、
宿命みたいなことを口にして身勝手な心霊観押しつけてくるわ_/>O
さすがにラスト近くで主人公のカノジョを銃殺した時は、
コイツはゾンビよりひでー、と思いましたね。
つーか単純に、ラスボスよりタチ悪いよ(>_<)

あ、さらっとネタバレしましたが、
そういう覚悟があって観ないと、
ラストにポカーンとなってしまうので要注意です。
オススメはできないんですが、
青春ものとしてなら、それなりのモヤッと感で観られるかもです。
もしかしたら『クロニクル』っぽく作りたかったのかもしれない。
だとしたら大失敗です(-_-;)


     
『Recザ・クァランティン』
2008年公開作品。
あれ? もうそんなか?

主演のジェニファー・カーペンターさんは、
『エミリー・ローズ』が最盛期だったのだろうか_/>O
作品、演出、可愛い度、すべてが前年のスペイン版オリジナルに負けてる。
負けてる、というか、オリジナル版も、
別に奇をてらってるわけではなかったから、
せまいビル内、縦に移動、出られない、POV。
これらを活用した、ある意味定番のホラーだったのに、
ハリウッド版はただの感染ものにしてしまったので、
怖さが半減(-_-;)
オリジナル版が、アンヘラたんの可愛さもあいまって傑作の呼び声も高かったのは、
やはり『なにがなんだか判らない』というのを貫いたからだと思います。
病気だから噛むとか、病気だから泡噴くとか、病気だから生き返るとか、
そういうんじゃないんだよ_/>O
悪魔だからどうにもならないんだよぉぉぉ_/>O

あ、またシラッとネタバレを…。
まぁ、いいや。

とりあえずこのハリウッド版のラストはオリジナル版とは異なります。
赤外線カメラ大活躍のとびきり怖いシーンも、
オリジナル版に軍配。
POVの演出も、ハリウッド版は過剰すぎて目がおかしくなるよ(/_;)

そんなこんなのハリウッド版なのに、
なぜか『Recザ・クァランティン2 ターミナルの惨劇』は、
……わたしの感想→『Recザ・クァランティン2』
それなりによく出来ていた印象です。
ただネタを感染(物理的な)にしてしまったので、
どうあがいてもバイオ・ハザードの何番煎じになるしかない、というね(´д`)

この作品を観るくらいならオリジナル版を一気観してはいかがでしょう?
わたし的には、
1→良 2→普 3→駄 4→普
くらいのデキです。
そう…4まであるんですね~(^_^;)
でもたぶん4で終わりです。
『クライモリ』の惨劇はない…はず…。


     
『ある優しき殺人者の記憶』
2014年公開作品。

この映画は白石晃士さん監督作品です。

↑ これがすごく重要です。

わたしが観たのは結構前ですなぁ。
実はわたしは白石監督作品って知らずに観始めて、
ラストで「あ、こいつはもしかして」と思ったら、
やっぱりそうでした。

とりあえずわたしは白石監督の『オカルト』は観ています。

ああああ、難しい_/>O
この監督を誉めたりするのは簡単ですが、
なにがどう、と説明するのは困難です。
好きな人は好きだし、ダメな人はダメ、
としか言いようがありません。
その点では園子温監督より極端だと思われます。

前にわたしが奇妙に惹かれる作品として、
『ドリル・マーダーズ』の感想をあげましたが、
『ドリル・マーダーズ』
コレと似たイメージかなぁ。

どんなにつまらなくても、
とりあえずネタバレなしで最後まで観てみて欲しい。
としか言いようがありません。
それで胸の中が〝モヤッ〟となれば、
この映画はいいんじゃないでしょうか?
最後の五分まで、
「なんじゃこりゃ???」
で、いいんです。それで正解です。
この作品は、人殺しヒャッハーとか、
エログロさいこーっとか、そういうんじゃありません。
むしろ……むしろ……
うまい例えが思いつかないッッッ!
つまり、それくらいオリジナリティが爆発してるのです。
……あー、マンガなら近いところは、
わたしの大好きな諸星大二郎先生とかの世界観ですかね~

なんだかよくわからない世界観はごめんだな、
って人は観てはいけません。
逆に、胸の中に〝モヤッ〟を溜めてみたい、溜まってる、
という方は、一時間25分の作品ですし、観てみてはいかがでしょうか?


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満を持して観た『エージェント・ウルトラ』 [映画]

     
『エージェント・ウルトラ』
2015年公開作品。
ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートの
ハチャメチャアクション。

観る前はちょっと危うい予感があって…。
実際、観た後もこれは観る人を選ぶなぁとは思うんです。
内容の割に長く感じるのは、
CIAサイドの話も細かく挿入するためでしょう。
この映画のテーマからして不要と思うんですが、
〝やりたいようにやるんだ〟
という気持ちが伝わってきて、それはそれでいいかな、
という力技で納得させられました。
生真面目なアクションだとか、
おもろコメディとは思わずに観られる方にオススメです。

個人的にはもの凄い好みでした。
『トゥルー・ロマンス』(1993)を思い出して、
ちょっと涙ぐんだりして(/_;)
わたしは『トゥルー・ロマンス』で
クリスチャン・スレイターが好きになったんですよ。
いま洋画沼にハマッてるんで、
若い同志が昔の、たとえば「処刑人」とか、
再び評価してくれてるのを見たりすると、
感激しちゃったりするんですよね(T-T)
(この手だと、『ヤングガン』がオススメなんですが、
当時もDVD出してくれなかったんだよな(T-T))
『トゥルー・ロマンス』は『…ウルトラ』が好きで
未見だという人にはぜひ観て欲しい作品です。
いろんな映画に影響を与えたし。

ジェシー・アイゼンバーグは、『グランド・イリュージョン』以来、
わたしにとってクリスチャン・スレイター、ジョシュ・ハートネット系の、
俳優で観るタイプの出演者になった気がします。
もちろん、今、『ハンニバル』のヒュー・ダンシーも大好きですけど、
だからって彼の出演しているラブロマンスとか、別に観たいと思わないので(/_;)
だってホントにドラマ苦手なんだもの(/_;)(/_;)(/_;)
でもジェシーさんの場合は、観たいかもな…。
それに私にしては非常にめずらしいことに、
字幕版で観ると決めている唯一の俳優さんです。

……ちなみに、韓国映画は俳優にかかわらず字幕版で観ます。
これはアジア系の人種なのに、
口と日本語が合っていなくて違和感を感じるからです。

ジェシーさんは『ソーシャル・ネットワーク』で
マーク・ザッカーバーグを演じて以来、
超早口可能俳優として知られています。
『…ウルトラ』でも、恋人のフィービーに、
「ゆっくりしゃべって」と注意されるシーンがあります。
『グランド・イリュージョン』でも単身で手品を披露するシーンでは
かなり早口なのがわかります。
吹き替え版で観ると印象が違ったので、
ジェシーさんの出演作は字幕版にしようと決めたんです。
実際は字幕版の訳はかなりいい加減なので、
吹き替え版にしたいんですけどね。
いい加減、という表現はまずいか(笑)
はしょりすぎ?
必要悪だというのは理解できますが…。
吹き替えと字幕で両方観られる場合は、
好きな作品は両方観るのをオススメしますね……
声がどーのこーの言うより、ずっとびっくりしますから。
というか、まぁ、英語が判るのが一番いいんですけど。

さて、前置きが長くなりすぎました。
『…ウルトラ』じたいの感想を書かなくては(^_^;)

あらすじは簡単です。
〝過去の記憶を消去されたハイパーエージェントが殺されそうになり、
半覚醒して恋人と共に逃げまくる〟
基本はこれだけです。
わたし的にはアクションがこの倍でも嬉しかった。
でも、このお話はロマンスものなんですね。
血を流し、銃弾が飛び交う世界でのロマンスです。
クリステンさんは『トワイライト』より、
ジェシーさんのお芝居に引っ張られてか、
せつないラブを上手に演じておられました。
鼻にかかった「ハニー、ベイビー」という声は、
男子にはたまらんものがあるのでは?

ジェシーさん演ずるOhポカホンタスな感じの諜報員マイクを
可愛い奴と思えるかどうかで、だいぶ話ののめりこみ感が変わってくるかと。
『トゥルー・ロマンス』の主人公、クラレンスは映画ヲタクの男の子、
マイクは町のちっさいハヤらないマーケットで意外にマジメに働いてる男の子。
どちらも序盤は暴力にも〝異世界〟にも無縁です。
実験的にプログラムされたハイパーエージェントとしての能力に目覚め、
最初の二人を殺害してしまった後のマイクは、
あまりにもナチュラルにポカホンタスで
(アニメのナニではなく、この語呂のイメージするナニです)
可愛いやら危なっかしいやら。
フィービーさんが自分の人生を捨てて彼を愛する気持ちも
理解できるというものです。
個人的に、電話のシーンで、
イェーツとの噛み合わない会話が好きです(笑)
マジメな顔したマイクが、いちいちラセターに「良い感じ」みたいに頷くんですけど、
電話の向こうのイェーツは〝話が通じてない感じ〟にイーッとなってる(笑)

以下、ネタバレを含む感想が続きます。



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感想を忘れていた『ジュラシック・ワールド』 [映画]

     
『ジュラシック・ワールド』
2015年公開作品。

確か『スター・ウォーズ~フォースの覚醒』の感想の時に書いたと思うんですが、
この作品も、基本的に〝古き良き時代〟を知る者を落胆させぬよう、
且つ、新規の皆さんにも入りやすく、
ものすごく頑張った良作になっていました。

吹き替え版がガンガン責められていますが、
この作品は俳優が何を喋ってても、意味は無い気がします(^_^;)
主役は恐竜だし、何回観ても、
ヴェロキラプトルとTレックスに「waao」って言えたら、それだけでいい作品では?
最近はワーキャー映画にヒューマンドラマを求める人が多くて、
評価が下がってしまうのは残念です。
ヒューマンドラマに重点を置きたい方は、
自分の嗜好を吟味して、もうちょっと別角度から映画を観ることをオススメします。
(もちろんヒューマンドラマ作品では、声優さんの演技や滑舌は重要でしょうとも)
あの主役が何言ってるか判らなくても、
ぜんぜん、ちっとも、お話は問題なく進むじゃないですか。
子供らの両親の離婚話と、パークで人間がパクパクごっくんされる話、
何も関係なかったでしょう?
最初からこの映画は元々の『ジュラシック・パーク』の精神を継承してると思いましたね(笑)
(原作にはきっちりとしたドラマがあるので、
気になる方は原作を読むことをオススメします。
素晴らしい小説ですよ)

元々の『ジュラシック・パーク』の凄さは、
あのテーマソングと共に、恐竜大好きっ子の教授が、
プラキオサウルスの群れと遭遇する、
あの感動を与えてくれたことです。
そして日が暮れると一変、
嵐が来てTレックスに追い回される恐怖。
更に一難去ったかと思ったら、
序盤で恐怖の伏線が張られたラプトルに屋内で追い回される恐怖。
かと思ったらラストは人間の浅はかさを嗤うような、
Tレックスの劇的な登場と咆哮。

当時原作を先に読んだ人は、みんな映画をこき下ろしましたが、
わたしは映画が先だったので、充分に感動しました。
すぐ原作を読み、確かに「なんて素晴らしい小説なんだ!」と感動しましたけど、
それでも映画のすばらしさは損なわれませんでした。
〝鳥かご〟の恐怖が描かれるのは3になってからですが、
こればかりは今回の『ジュラシック・ワールド』より、
『ジュラシック・パーク3』のプテラノドンのドームのシーンの方が怖いし面白いですよ。
ワールドのプテラノドンは、なんかすごく軽そうでしたね(^_^;)

メモに書いてあるのが、
あのCEOが登場して、かなりあっさりと死んだ理由ですね。
なんの暗喩なんでしょう?
別に意味なんてなかったのかなぁ。
だったら登場そのものがなくても良い気が(笑)
人間より恐竜に価値観を見いだしちゃってるヒロインは
『ディープ・ブルー』の女博士を彷彿とさせられました。
でもディープの方はきっちり自分でケツを拭かせるけど、
こっちは特にありませんでしたね~
むしろ自分の意見なんてなかったことになっていて、
そこらへんは、やっぱりこの作品のドラマ性の低さを露呈していたと思います。

個人的には、人間がパクパクされるのは相変わらず何も感じないんですが、
ラプトルが一匹ずつ始末されるのは泣いちゃいましたね。
人間のためにけなげに頑張る動物とかマシンを見ると、
人間が殺された方がはるかにマシ、と思えちゃうのが、
最近のわたしのクズ人間ぶりを表しています。

とりあえず、この手のワーキャー映画が好きな人は、
「どうせパクパクゴックンの映画でしょう?」
って思わず、
そのパクパクゴックンに徹した二時間ちょいを堪能することをオススメします。
流血シーンは特にないですし、グロ度はゼロに近いです。
『ジュラシック・パーク』のように、
映画の歴史に一ページを刻むような力はありませんが、
あのパワーをもう一度望もうとする姿勢は評価できます。
普通に二時楽しめます。
オススメです。


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ナニな映画、二連チャン『悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』と『ダークハウス』 [映画]

     
『悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』
2013年公開。

意外に評価が高いのが驚きッ(・д・)

ちょっと前に観たんですが、
確かにストーリーに破綻はないです。
それほど複雑なお話ではないけれど、
この手の作品は矛盾があって当然だったり、
ツッコミどころ満載だったりするので、
それを考えると、ちゃんとお話にはなっています。
あ、面白いかどうかは別ですよ。

しかしとにかくウルサイ!
レザーフェイスさん覚醒後は、
無限バッテリー(たぶん日本製)によって
えんえんと大音量でフルパワーを発揮するデカチェーンソーが唸りを上げます。
庶民宅では耐えられぬ大きさなので、
(というか、それこそ隣人にいらぬ恐怖を与えそう)
必死でボリュームダウンしましょう。

あまりゴアとかホラーな描写はなく、
どちらかというと、ちょっと変わったサスペンス、リベンジものという感じですね。
その割には、カーニバルシーンなど丁寧に撮られていて、
誰一人死なないエキストラがわんさかと出てきました。
なんでこのシーンにこんなにお金をかけているのか、逆に理解できません(^_^;)
もしかしたら、最初はもっと、ターミネーターっぽくするつもりだったのかもしれませんね。
ヒロインが刑務所→いろいろ知る→逃走→最終兵器
この展開はターミネーターのまんまだし。

ホラーとか特に好きでないけれど、刺激が欲しい人にオススメです。
でも期待してはいけませんよ。
ナニなことには変わりませんので。


     
『ダークハウス』
2015年公開作品。
『インシディアス』っぽいと思ったら、『インシディアス』の監督でした。

83分という短さなので、
ちょっとしたオバケ屋敷感覚で視聴するには最適です。
すごく怖いわけでもなく、面白くもなく、新機軸もないです。
ちょっとしたドッキリポイントがいくつか、それだけなので、
見所はここ! というのがナイのがもったいない。
あと、やはりホラーは男性か女性に一人くらい愛嬌のあるタイプが必須だと思うんですが、
それもいないのが、う~ん。
感情移入もできないし、
可哀想とか、腹が立つとか、そういう、
感情を揺さぶられるシーンが一つもありません。
一番の問題は、
キーパーソンが見るという悪夢の描写が、
最後の方までないことなんですね(-_-;)
これがないので、ラスト近くに悪夢が現実になる恐怖も薄味になってしまってます。

個人的にキツかったのは、
唐突にPOVになったりする画面です。
グルグルまわるので、単純に三半規管がヤられます。
また、最初の物理的なホラー体験(ナニかに引きずられる)後、
誰も逃げずに降霊会をやっちゃう全員の神経も、
ちょっと強引かと(-_-;)
そこはもっとマトモな人に反論して欲しかったなぁ。

ラストは陳腐ですが、
つじつまが合わないようなこともなく、
整然としすぎたホラーです。
パラノーマル系インシディアスドッキリホラーハウス、
って感じ。
普通にデートムービーとしてウフフするのがよろしいかと。
なんの知恵もひねっていない内容なので、
その点で期待してはいけません。
あくまでナニな映画でしたよ。


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『ソロモンの偽証』TV版 (前後編) [映画]

     
     
『ソロモンの偽証 事件/裁判』
2015年公開作品。

原作未読。
わたしみたいな者が批評するような作品ではなくて、普通に良作。
中高生とか、なんだったら親とか小学生とかが見て、
「イジメ・カコワルイ!」
とか、
「暴力・イクナイ!」
とか、
「差別・絶対ダメ!」
とか学べばいいんじゃないかしら(^_^;)


以下、クズなりのネタバレ有りの感想。
斜めに育った意見が入りまくりなので要注意。


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