満を持して観た『エージェント・ウルトラ』 [映画]

     
『エージェント・ウルトラ』
2015年公開作品。
ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートの
ハチャメチャアクション。

観る前はちょっと危うい予感があって…。
実際、観た後もこれは観る人を選ぶなぁとは思うんです。
内容の割に長く感じるのは、
CIAサイドの話も細かく挿入するためでしょう。
この映画のテーマからして不要と思うんですが、
〝やりたいようにやるんだ〟
という気持ちが伝わってきて、それはそれでいいかな、
という力技で納得させられました。
生真面目なアクションだとか、
おもろコメディとは思わずに観られる方にオススメです。

個人的にはもの凄い好みでした。
『トゥルー・ロマンス』(1993)を思い出して、
ちょっと涙ぐんだりして(/_;)
わたしは『トゥルー・ロマンス』で
クリスチャン・スレイターが好きになったんですよ。
いま洋画沼にハマッてるんで、
若い同志が昔の、たとえば「処刑人」とか、
再び評価してくれてるのを見たりすると、
感激しちゃったりするんですよね(T-T)
(この手だと、『ヤングガン』がオススメなんですが、
当時もDVD出してくれなかったんだよな(T-T))
『トゥルー・ロマンス』は『…ウルトラ』が好きで
未見だという人にはぜひ観て欲しい作品です。
いろんな映画に影響を与えたし。

ジェシー・アイゼンバーグは、『グランド・イリュージョン』以来、
わたしにとってクリスチャン・スレイター、ジョシュ・ハートネット系の、
俳優で観るタイプの出演者になった気がします。
もちろん、今、『ハンニバル』のヒュー・ダンシーも大好きですけど、
だからって彼の出演しているラブロマンスとか、別に観たいと思わないので(/_;)
だってホントにドラマ苦手なんだもの(/_;)(/_;)(/_;)
でもジェシーさんの場合は、観たいかもな…。
それに私にしては非常にめずらしいことに、
字幕版で観ると決めている唯一の俳優さんです。

……ちなみに、韓国映画は俳優にかかわらず字幕版で観ます。
これはアジア系の人種なのに、
口と日本語が合っていなくて違和感を感じるからです。

ジェシーさんは『ソーシャル・ネットワーク』で
マーク・ザッカーバーグを演じて以来、
超早口可能俳優として知られています。
『…ウルトラ』でも、恋人のフィービーに、
「ゆっくりしゃべって」と注意されるシーンがあります。
『グランド・イリュージョン』でも単身で手品を披露するシーンでは
かなり早口なのがわかります。
吹き替え版で観ると印象が違ったので、
ジェシーさんの出演作は字幕版にしようと決めたんです。
実際は字幕版の訳はかなりいい加減なので、
吹き替え版にしたいんですけどね。
いい加減、という表現はまずいか(笑)
はしょりすぎ?
必要悪だというのは理解できますが…。
吹き替えと字幕で両方観られる場合は、
好きな作品は両方観るのをオススメしますね……
声がどーのこーの言うより、ずっとびっくりしますから。
というか、まぁ、英語が判るのが一番いいんですけど。

さて、前置きが長くなりすぎました。
『…ウルトラ』じたいの感想を書かなくては(^_^;)

あらすじは簡単です。
〝過去の記憶を消去されたハイパーエージェントが殺されそうになり、
半覚醒して恋人と共に逃げまくる〟
基本はこれだけです。
わたし的にはアクションがこの倍でも嬉しかった。
でも、このお話はロマンスものなんですね。
血を流し、銃弾が飛び交う世界でのロマンスです。
クリステンさんは『トワイライト』より、
ジェシーさんのお芝居に引っ張られてか、
せつないラブを上手に演じておられました。
鼻にかかった「ハニー、ベイビー」という声は、
男子にはたまらんものがあるのでは?

ジェシーさん演ずるOhポカホンタスな感じの諜報員マイクを
可愛い奴と思えるかどうかで、だいぶ話ののめりこみ感が変わってくるかと。
『トゥルー・ロマンス』の主人公、クラレンスは映画ヲタクの男の子、
マイクは町のちっさいハヤらないマーケットで意外にマジメに働いてる男の子。
どちらも序盤は暴力にも〝異世界〟にも無縁です。
実験的にプログラムされたハイパーエージェントとしての能力に目覚め、
最初の二人を殺害してしまった後のマイクは、
あまりにもナチュラルにポカホンタスで
(アニメのナニではなく、この語呂のイメージするナニです)
可愛いやら危なっかしいやら。
フィービーさんが自分の人生を捨てて彼を愛する気持ちも
理解できるというものです。
個人的に、電話のシーンで、
イェーツとの噛み合わない会話が好きです(笑)
マジメな顔したマイクが、いちいちラセターに「良い感じ」みたいに頷くんですけど、
電話の向こうのイェーツは〝話が通じてない感じ〟にイーッとなってる(笑)

以下、ネタバレを含む感想が続きます。





……『トゥルー・ロマンス』を含む余談ですが、
タランティーノがなんと言おうと、
ラストはあれで正解だと思います。
もしラストを最初の予定通りにしていたら、
あの映画は「俺たちに明日はない」の亜種で終わっていたと思います。

この「…ウルトラ」も、
ラストで一斉射撃でもいいんですが、
そうするとやっぱり最近の凡作の一つになっちゃうだけだったと思います。
とにかく最近の作品は殺しすぎだとわたしは思います。
良い悪いの問題ではなく、世間の好みがこういう方向なんでしょう。
バッドエンド、死にルートがノーマルになってますよね、最近。
ハッピーエンドだと、あろうことか「つまんない」って言われる世の中…(-_-;)
いや、好みだからいろいろあっていいと思いますし、
全滅エンドが絶対的に美しいパターンもありますが…。
でも個人的に、何度も観たくなる映画は、
たとえ全滅でも不快感はない作品ですし、
バッドエンドが栄えるのは、ハッピーエンドがたくさんあればこそだと思いますね。
バッドエンドが量産されると、ホントに鈍感になっていく(-_-;)
主役が死んじゃっても気にならない作品多すぎ_/>O

ラストで主人公が死ぬパターンも用意されていた、
と聞くと、「28日後」がありますが、
あれも、もし主人公が死ぬパターンだったら、
わたしは何度も観てないし、絶対に好きな作品にはならなかったでしょうね。

『…ウルトラ』に話を戻すと、
個人的にはマイクたちを生ぬるく見守っていた警官が、
かなりあっさりと殺されてしまい、
そこが残念(/_;)
生き残る方がおかしいんだけど、
マイクの仲良しも巻き込まれで死んじゃうし、
そのへんは、確かに死なないと変なんだけど、
もっとお話に生かす方向もあった気がして…。
って、でも、この映画、ホントに意外と長く感じるので、
それらの人の出番を増やすと、ありえない長さになってしまうんですよね(T-T)

ラストに関しては、逃亡エンドでも良かった気がします。
オバサンには悪いけど、
「誰にも命令されてない」マイクのままでいて欲しかったかな。

普通にオススメしたいところですが、
総じてアクションシーンが少なめなので、
デートムービーっぽくもあり、
しかしそれにしてはドラマテイストは少なめ、
というね(^_^;)
コメディで推すにしては、『酔っ払い』シリーズみたいな笑いどころはナシ。
どっちつかずのニュアンスが観る人を選ぶと思います。
予告などを観て、テイストが気に入ったら観るのがいいと思います。


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