珠理奈の兼任解除が「重大発表」だった話 [アイドル]


久しぶりにAKBネタなので、
興味の無い方、嫌いな方は見ないようにお願いします。

では興味のある方だけ、
〈続きを読む〉からどうぞ。


数日前から、AKBのオールナイトニッポンに、
秋元康、横山由依、松井珠理奈が出演し、
そこで「松井珠理奈から重大発表がある」と宣伝されてました。
これに対する大半の声が、
「いよいよ兼任解除してAKB専任になるってことだろう」
でした。
珠理奈はもともとSKE48のセンターでエースで、女王様です。
これは珠理奈の魅力、努力もさることながら、
秋元康の強烈な寵愛を受けている、という背景が大きな理由にあります。

……話は遠回りになります。

ちょっと前に今年の総選挙のブルーレイを買いまして。
(このせいで破産同然になったわけですが)
そこで総選挙の裏側をチラチラ見てましたら、
珠理奈が大泣きして、玲奈に「ごめんね」と泣きつく場面があったんですね。

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日スポの写真をお借りしてみました。
左が松井玲奈、右が松井珠理奈です。

玲奈はこの時はすでに卒業発表してまして、総選挙も出馬しませんでした。
これは「卒業するから当然だな…」と、みんなに受け止められていたんですが。
同じく今年卒業する高橋みなみは出馬しました。
そして自身の最高順位をマークしました。
「今年で最後です、卒業します」という宣言後の投票効果は、
むしろヲタに「最後の花道つくってやるぞ!」という、
団結力を与えるのだとハッキリしました。

こういう仕組みは想像がつくことでしたし、
実はこれまでに何人も、
暗に「これで最後です」とにおわせて票を求めてたメンバーはいたわけです。
(本人の意識はともかくとして、大島優子とかはその代表格でした)
それなのに玲奈がどうして選挙に出なかったのか、
わたしはイマイチ、ピンとこなかったんですよね。
清楚可憐で一歩引くように見えて、
実は性格的に、玲奈は逃げるタイプではないし。
でも、うーん、なんとなく、
珠理奈の「ごめんね」を聞いたとき、
(あくまで想像です)
運営に辞退をするように言われたのかな、
と感じてしまいました。

あんまり知らない方に説明しますと、
珠理奈玲奈W松井と呼ばれ、
名古屋を拠点としたSKE48を支えてきました。
W松井、とは言われていますが、姉妹ではありませんし、
年が離れているので、仲良しという感じでもありませんでした。
年上の玲奈が、〝構ってちゃんの珠理奈〟を甘やかす役、
を甘んじて勤めていたような、そんな関係でしたね。

ぶっちゃけ、SKE48の世間への浸透率が低いのは、
この二人の責任だとわたしは思います。
玲奈珠理奈も好きだよ(/_;))
乃木坂46も相当だと思いますが、
SKEとは結成年数が段違いですので、話になりません。
どういう意味? と感じる方が大半でしょう。
これは握手会に重きを置いた場合の指数です。
数年前までは、玲奈こそ握手人気において、
AKBグループのトップと言えるアイドルだったからです。
SKEはAKBに知名度で追いつくため、
AKBが前田敦子を一択推ししたように、
W松井を強烈に推していきました。
というか、珠理奈(前田)を強烈に運営推しすることで、
玲奈(大島)をファンに推させる、というライバル方式を取ったと言いましょうか。
この方式が、何十人もいるグループのメンバーを定着させる方策として間違っていたことは、
現在のAKBの凋落ぶりからも明らかです。
次々に次世代と呼ばれる新鋭を商品棚に並べるHKT方式が、
少なくともファンに顔と名前を一致させる近道の気がします。

しかしこういった運営の判断を、
W松井の責任にするのは申し訳なく、
この二人の責任にしてしまった運営にこそ、
真の害悪があったと、わたしは考えます。


↑ 玲奈がもっとも輝いていた時に作られた「片想いFinally」。
2012年、五月の曲ですね…。
玲奈の驚異的な握手人気が話題になっていたにもかかわらず、
この素晴らしい曲がヒットしなかったこと、
この当時にはグループに在籍していた矢神久美、秦佐和子など、
少なくともAKBグループヲタにも認知されていた人気メンバーが、
その後立て続けに卒業してしまったことが、
SKE48が、グループとして世間に認知されない起点になってしまったと、
(あくまでわたしは)思います。

「パレオはエメラルド」も悪い曲ではありませんが、
SKEのカラーを強烈に押し出していたのは「片想いFinally」でした。
AKBとは意匠の異なったダークな色味の制服衣装も印象的です。
この当時のメンバーのドラマチックな顔つき、
シリアスで過激、かつ一糸乱れぬ統率の取れたダンスは、
AKB、NMB、HKT、乃木坂には、到底真似の出来ないスタイルでした。
(この当時のNMBは、エロいさやねえとミルキー、プラス愉快な仲間達に過ぎず、
HKTは亜流チームB、乃木坂に至っては女子校の棒立ち合唱団みたいなものでした)
当時対抗してきたももクロちゃんとかとはカラーが違うことを、
むしろ全国に示す良いチャンスだったのに、
「パレオ…」で須田亜香里がピルエットを決めたことなど、
〝その後〟を考えたら須田にとっての良策でしかありませんでした。
なぜ紅白で「片想いFinally」を推せなかったのか、
運営の無能ぶりには毎度頭が下がります。

その後、NMB48、HKT48が台頭しはじめると、
SKE48は意固地になったように独自の路線を走り続けます。
すなわちセンター珠理奈一択育成路線です。
珠理奈は中学卒業と同時に
満を持したようにAKB48との兼任を言い渡されます。

わたしはSKEヲタではないので、当時の玲奈の心境はわかりませんが、
このへんから、玲奈はSKEの松井玲奈ではなく、
個人の外仕事を優先していくようになったように見えました。
だからといって、
玲奈がAKBとの兼任を望んでいたとはわたしは思いません。
けれど、このあと続々と卒業メンバーが出たことを鑑みても、
SKE運営の、そして秋元康の、あからさまな
〝珠理奈さえ生き残れば良い〟という思想は、
メンバーを憂鬱な気持ちにさせていったのではないかと想像に易くありません。

前にこのブログでつらつらと述べたように、
秋元さんの珠理奈推しは異常なほどです。
見ていてストーブに近づくようにジワジワと伝わるので、
〝暑苦しい〟と感じるほどです。
秋元さんは珠理奈を、スターの原石と絶賛し、
突然「大声ダイヤモンド」でセンターに抜擢したほど、
彼女に全身全霊をかけてきました。
彼女が売れるため、秋元さんが言ったとおりの「スター」になるため、
もう珠理奈が可愛いからなのか、自分の言葉が嘘になるのがイヤだからなのか、
どっちかわからないくらいメチャクチャに推してきました。

そのゴリ推しのほとんど最終形態、と言ってよかったのが、
ジャンケン大会の優勝です。
皮肉なことに、ここで、ファンはもちろん、一般の人の興味も、
〝じゃんけんで決めるセンター〟の意義を失ってしまいました。
前年の、島崎遥香のじゃんけんセンターに関しても、相当の八百長が疑われていました。
当時彼女が秋元さんの寵愛アンテナに引っかかっていたからです。
(めちゃイケ単独特集、ドラマ・マジすか主演など)
その次が松井珠理奈だったため、
もはやファンからもガチと言い張る声はなくなりました。
悲しいことに世間にとっては「知らない娘」でも、
ファンにとっては「またか」というゴリ押しメンバー、それが珠理奈でした。
(ちなみにこの優勝は珠理奈がパーを出し続けていたため。
AKBにはシングル連続ミリオンの記録更新がかかっており、
センターにはこの記録をストップさせるかもしれないという重圧がかかる。
このため、珠理奈がパーしか出さないという情報はすぐに広まり、
珠理奈を負かすことは簡単だったが、そんな勇者は現れなかった)

この時の秋元さんの曲にかけた情熱は、
ストーブに近づくどころか、鉄に触るくらい熱かったです。
歌詞はもちろん珠理奈を連想させ、タイトルは記録を塗り替える長さで話題を狙い、
ひたすら珠理奈に「好き!」と叫ばせる、という…。

しかし見事にコケました…。
この曲はおそらく、秋元さんのゴリ推しが通じる最後の機会ではなかったのかと思います。
もちろん、秋元さんが望めば、通常のシングルも珠理奈を単独センターにできるでしょう。
でも〝あの〟と定冠詞をつけて呼ばわる秋元康が!
と、いう自負をもって『俺の神推しを見ろぉぉぉお!』
と推せるのは、この時が最後だった気がします。


「鈴掛なんちゃら」は決して悪い曲ではありませんでした。
途中ひどいアレンジもありますが、
(何度聴いても〝チャーチャラチャッチャ〟のところは余分ですね)
当時、駄曲を連発していたクソ曲と比較すると、
(「恋チュン」の次の次にあたりますが、
「SO LONG」「さよならクロール」「ハートエレキ」など、
世間様の記憶に残らない楽曲が続いていました)
とてもノーマルなアイドルソングだったと思います。
でも、どんなに祈ってもかなわないことはあります(/_;)

「鈴掛なんちゃら」がコケたことで、
珠理奈の村外での力のなさが明らかになってしまいました。
いくらセンターをやらせても、ドラマに抜擢しても、
「逸材ですッ」とあらゆる場面で公言しても、
ツテのある人に「珠理奈ちゃんってスターだね」
と言わせても、ほんっとーーにどうにもならない……。
珠理奈センター曲はMステでもゴージャスなセットと共に発表され、
これでもか、とお茶の間に飛び出してきた記憶があります。

なんだかこんな風にマイナス面ばかり羅列していると、
珠理奈アンチと思われそうですが、絶対にそれはナイです。
何度も言いますが、わたしがAKBグループで在籍時に
「この子キライ」と思ったのはただ一人で、
しかもその子はまだ在籍中ですが、
選抜にも入れていないので何年も目にする機会もなく、
キライから、どうでもいい、という存在になりつつあります。
わたしはその子が卒業するまで名前を言う気はないです。
AKBグループのみんな、一人一人、ほんとに頑張って欲しいと思っています。

この失敗によって、秋元さんのゴリ推しは頓挫したのだと思います。
もちろん秋元さんの珠理奈推しは変わらないでしょう、
可愛くてたまらないのだということも伝わってきます。
しかし珠理奈に関しては、
コトはすべて秋元さんの意図を裏目ったとしか言いようがありません。

最大の裏目は、珠理奈の性格でしょう。
甘えん坊のだじゃれ好き。
甘えん坊はいい、でも〝だじゃれ好き〟て……。

珠理奈は見た目だけの印象ですと、神秘的で大人っぽく、
それこそ映画「渇き。」の加奈子のような性格を想像させられます。
ゾクゾクするような色気と静謐な佇まいは、
確かにアイドルを越える予感をさせるのです。
……しかし口を開くと一変して、
そこらへんのつまらないオンナノコになってしまいます。
場の空気を読むこともない。
たとえば指原のようなライバルを冷たく蔑むこともない。
強気の言葉は吐くけれど、結果を出したことはない。
ただのメンタルの弱い年相応の、
甘やかされて手のつけられなくなったきかん気弱虫です。
これは運営や秋元さんが根拠なく彼女に植え付けてきた自信が、
結果的にことごとく裏切られてきたため、
彼女の精神が肉体に影響を及ぼすほど折れたことに現れています。
彼女が見た目通り、加奈子のような魔性だったら、
おそらく誰が推すまでもなくトップスターにのぼりつめていたでしょう。

これまで秋元さんは葵上のように、
ゆっくりと丁寧に珠理奈を育ててきました。
珠理奈を小学生の時から知っているファンもみんな、
珠理奈がいつ花開くのか、どんな大輪に育つのか、
わくわく愉しみに待っていました。
おそらくはメンバーもみんな、
どんな素晴らしいセンターになってくれるのか、
あっちゃんよりスゴイセンターになるのではないかと、
期待と羨望でわなないていたことだと思います。

そうして、珠理奈はとうとう18歳になりましたが、
わたしたちが想像していたスター松井珠理奈にはなっていませんでした。
それどころか世間的には名前と顔さえ覚えられていない。
『SKE専任になります!』
と重大発表したところで、AKBとSKEを兼任していることさえ、ヲタ以外は知りませんでした。
というか、本当に本当にッ(T_T) 名前も顔も知られていない _/>O
毎回SKEのセンターをして、
AKBのシングルセンターも数回こなしているのに、
なんで名前と顔が覚えてもらえないのか…。
どうして彼女がメジャーな存在にならないのか、
それは現在、
どんなに良い楽曲でも売れないのと同じような理由かもしれません。

さてさて、こういった経緯があって、
数日前、彼女は「SKEに専念する」宣言をしました。
ファンは〝重大発表〟というからには、
いよいよAKBに本格移籍かと身構えていたのに、
まったく正反対の決意表明だったわけです。
そういう意味ではびっくりさせられましたが、
言われてしまうと、これまでの経緯や、
選挙での玲奈への「ごめんね」が意味を持ってきて、
想像している以上に、珠理奈本人が一番、
「わたしはどうしてみんなの期待するスターになれないのか?」
という未来予想図に追い詰められていたのかも知れないなと…。

選挙での「ごめんね」の意味は、
玲奈が辞退することによるSKE箱推し票があったのに、
一位になれなかった、ということだとわたしは判断しました。
彼女は五位でした。
三百人を越えるメンバーの数を考えれば大したものです。
しかし一位を目指していた側からすれば、
特に票数を見ると、惨敗と言っていい結果です。
指原によると、
投票する側の「かわいそう」という気持ちを喚起できるかどうか、
これが票の伸び率に影響するそうです。
とするなら、珠理奈はファンにとって
「かわいそうじゃない」のです。
秋元さんの寵愛を受け、
運営にお姫様のように扱われ、
年上のメンバーにも〝さん〟付けで呼ばれ、
十代で運転手付きリムジン移動し、超高級マンションに住み、
なにより決して選抜落ちすることはない。
そんな選ばれし者が、可哀想なわけがないのです。

AKBには数名、地方グループのエース級が兼任しています。
その中で泥の中から這い上がるように頂点に近づいているのが、
HKTの宮脇咲良です。
最初からAKBのシングルセンターに抜擢され、
以降選抜から落ちたことのない珠理奈とは、
まさに雲泥の差の待遇で育成されたアイドルです。
わたしは、珠理奈は恩恵を受け入れて
我が儘アイドルの道を行くべきだったと思います。
加奈子ならそうしたと思うし、秋元さんもそう説得したと思います。
そうでなければ、この発表に一年もかけるとは思えません。
珠理奈からSKE一本でやりたいとの打診があったのが一年前だそうです)
珠理奈自身は、「自分も後輩を育てたい」と述べているようですが、
センター、良ポジションしか経験のない彼女に、
選抜に入ることも出来ない泥沼メンバーの育成ができるとは、
わたしは思えません。
そもそも育成なんて、アイドルの仕事とも思いませんし。
指原がそっちの方でフューチャーされたのは、
彼女自身、自分のできることを全力でやるしか道がなかったからです。
したいからしていたわけじゃありませんよ(笑)

想像するに、
珠理奈がもう折れてしまっていることを、
秋元さんも受け入れるしか無かったような気がします。
どういうカタチでブレイクするかは、
秋元さんにだってもう予測がつかないわけですしね。
あれだけ推して、推して、推しまくっても、
どうにもこうにもスターにならなかったんだから、
あとはもう、18歳になった珠理奈本人の判断に任せたのかな…。
そんな気がします。

なんとかしてあげたいメンバーが星の数ほどいるグループの中で、
珠理奈はどうしてもみんなの望む結果を残せませんでした。
だけどまだ18歳で、いくらでも望みをかなえる機会はあるでしょう。
まずはとにかく、顔と名前が全国区になるといいなぁ……。



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