「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」「恋の罪」 [映画]

夏の定番とも言える「朝起きたら起きられなくなっていた」体調の異変で、
歯医者にも行かれず、当然ご褒美もナシの日々です。
おまけにこの連休初日に二階のトイレが壊れました_/>O
あさっての水曜日に業社さんが見てくれて以降、工事日も未定です。
利尿剤を飲んでいる身としては、体調の悪いときに階段の昇降は命がけです。
やっとシロアリ駆除が終わったと思ったらコレですよ…。

そんな中、眠ることもできないときたら、DVD鑑賞です。

     

「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」
ロバート・ダウニーJr とか ジュードロ・ロウの出てる第二弾です。
なんだろう、第一弾も感じた ヤリスギ感がまんまな雰囲気、とでも言いましょうか。
たぶん、原作が好きだったりすると、CGとか欲しくないんですよね。
もっとお話をゆっくり観たいと思うのは、私がババァなせいだとは思うんですが、
それにしても不必要に詰め込みすぎで展開が速い気がする。
エンディングの羊皮紙バックのスミ絵風映像とかは悪くないんで、
あのくらいの雰囲気で本編もやって欲しいです。

モリアーティー教授が異例の小物っぷりなので、最初から最後まで、
出てくるたびに「えっ、だれ?」って二度見しちゃう感じです。
もっと上品で鋭角的な英国紳士にして欲しかった。
(そもそもジュード・ロウが色男すぎるんですよ、だから他のみんな見劣りしちゃう)
それで、どうせならもっと病的にホームズと対決して欲しかったな。

アイリーン役の人は、私はキライじゃないんですが、一般的な美人ではないですよね。
表情とかが芸人みたいで、ホームズのファム・ファタールとしては弱すぎる。
なんたってワトスンがジュード・ロウなので、カッコ良すぎるのが問題なんだよ(笑)
そりゃあホームズだってワトスンに執着しちゃうっつーの。
しかしなんと言っても驚いたのは、開始からほとんど時間もたたぬうちに彼女がアッサリ死んでしまったこと。
彼女は前作ですでに命を狙われていたんだし、もっと警戒するくらいの鋭敏な人のはずなんだけどな。

開始50分ですでにお腹いっぱいな感じなうえ、長いなぁと感じてしまう。
いろいろ暴いていくんだけど、秘密の工場のどこもかしこもMの字マーク(笑)
モリアーティーって頭の良い悪役であるはずなのに、自己主張の激しすぎるナルぶりが凄い。

マイクロフトは原作とは違うタイプでしたが、
ホームズとのコンビはすごく良かったです。

第一作目と同様、原作とは雰囲気もお話も別物として観ると良作。
すごくお金もかけてるみたいだし、悪くないのに、なんだか良くもないという…。
宣伝の仕方がうまいので、いつも劇場に観に行きたくなってしまうんだけど、
行かなくても別に良かった、と思えてしまう感想が悲しい(-。-;)

     

「恋の罪」
園子温監督作品です。
始まりは、どうなっちゃうんだろうと不安にならせる感じで期待大きかったです。
でも大きすぎたかも。

この監督特有の、長くなってくるとタルくなってくる展開なのは変わらず。
脚本で魅せるタイプではなく、エピソードとしてのシーンで魅せるタイプなので、
役者がダラダラと語り出すと途端につまんなくなってしまう。

それにしても貧乳から豊乳と、取りそろえが凄いです。
はじめの方はそんなに感じなかったんですが、途中から確かに、事前に読んだ感想通り、
女性の描き方が画一的というか、〝オンナ〟って部分が些末になっていった気がします。
あくまでも、弱々しく子供っぽい主人公たちの人間性崩壊物語でした。
セックスで受け身を取っているだけで、別に主人公が女性である必要性とか、
〝女性だから〟って感じはしなかったです。
もしこの偶像を〝これこそオンナだ〟とか言われちゃうと、
「いや、これはただの厨二病だから」と返したくなる感じ。

厨二病、というキーワードで、「愛のむきだし」や「ヒミズ」を思い出しました。
「ヒミズ」はまだ観ていないんですが、「愛のむきだし」はまさに青春とか、性少年って雰囲気だったので。
この作品も、少年と少女でやっていたら、すごい判りやすかったのに、と思います。
もちろん少年・少女でセックスを介在させたらまずいんでしょうが、その方がすごい判る。

私が感じたテーマは、〝自分探し〟です。
ヒロインたちは自分を見つける為に〝投影するもの〟を探してる。
それが〝オトコ〟なわけで、〝城〟とか言っちゃってますけど、
要するに、理想の自分を認めてくれる鏡が欲しいわけです。
それって厨二病の典型的なパターンだと思うんですよね。
「誰かホントの私を見つけてよ!」 と叫ぶ、みたいな(´Д`)
大人になるにつれ、〝ホントの自分〟って、それこそ他人の数ほどいるような気がしてくるものですが、
それを、いい年して社会的地位も得た大人の女性が右往左往しながら探して、
結局やってることは不特定多数相手の売色、という(笑)
元の事件が、根底はそういうことだったのかなぁと想像させる内容だったので、
それでこういう話になったのかもしれませんが、いずれにしても私的にはちょっと期待が大きすぎて、
ズシンとくる映画、にはならなかったです。

あとですね、水野美紀ちゃんはキライじゃないですが、この映画の中ではお客さんのようでした。
美津子役、いずみ役の女優さんが凄まじすぎた。
特にいずみ役の神楽坂恵さんは、
「愛のむきだし」のヨーコ役でぶっとんだ満島ひかりちゃんを彷彿とさせて、素晴らしかったです。
(児童の前での放尿シーンは必要ないと思う、でもそれを言いだしたら、
この映画も「愛の…」も、いらないシーンだらけになっちゃうからな)
比べると、水野美紀ちゃんは予測の範疇のお芝居しかしてない感じで…。
遺体遺棄現場での自慰シーンなど、もっとぶっ飛べよ、とか思っちゃいました。
最後まで、不倫してる人妻(しかも子供もいる)オンナ刑事、
という素敵な役柄を生かしてなかった気がします。

そんな水野美紀ちゃんの不倫相手が、なんとアンジャッシュの児島でした。
これ、キャスティングの時って、児島がプレイクする前だと思うんですよ。
だから、声きいて、姿出てきたとき、わたし笑っちゃって_/>O
児島にしか見えないんですもん。
そういう意味で、やっぱ板尾って凄いんだな、と思います。
だって板尾も板尾にしか見えないけど、作品の世界には必ずマッチするから、笑う気にならないもんなぁ。

えー、そんなわけで、
「愛のむきだし」同様、観る人の側に園子温監督耐性みたいなものを必要とされる映画でした。
私的には「愛のむきだし」を八点としたら、コレは四点。
良作とは思うけど、もう一回観たいとは思えないです。
実在の事件が元ネタ云々より、
〝いずみ〟というヒロインの人生七転び八起きモノとして観ると、なかなか傑作だと思われます。


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