「鬼神伝」「アイ・スピッド・オン・ユア・グレイヴ」「わらの犬」 [映画]

     

「鬼神伝」
アニメ映画です。
期待しないで観たら良質な、よくできたアニメでした。
ちょっと説教臭い、と思ったら、
ジュブナイルが原作だそうで、さもありなんという感じ。
でも小学生のうちにぜひ観ておきたいタイプのアニメです。

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「アイ・スピッド・オン・ユア・グレイヴ」
鬼神伝とは一転、復讐もののリメイク作品です。
元の方を観ずに、鑑賞。
評判通り、イマイチでした(ノд`)

     

「わらの犬」
こちらもバイオレンスなリメイク作品。
こちらも評判通り、イマイチでした(ノд`)

以下、ネタバレ含む感想です。

「鬼神伝」
ハッキリ言って現大阪府知事さんに観てもらいたい。
(5/14 追記・すみません、私の言ってる〝アノ人〟は市長さんでした)
クライマックス、源雲が鬼となって敵味方、
委細構わず踏みつぶして自らの〝理想社会〟を築こうとする様子は、
まさにアノ人を彷彿とさせられました。
世の中、いろんな理不尽に頭に来て、
とりあえず善悪取り混ぜて踏みつぶしてでも、
一足飛びに美しい理想社会を創りたいのはわかるけど、
それは間違っている、というメッセージ性があります。
山が怒れば川も怒る、人間は自然の一部、
というセリフは、当たり前のことなんだけど、今や感慨深い言葉です。

ただ、アニメ映画としては、どうしても説教部分が強すぎかも。
よくできているのに、エンターテイメント性が欠けたのは、
オロチと純の絆を描くエピソードがなかったせいかな。
お子さんがいる方には絶対オススメなアニメです。


「アイ・スピッド・オン・ユア・グレイヴ」
数多くの なぜなぜポイント……
女子一人でド田舎のド不便な別荘で小説を書こうとするヒロイン。
なぜ?
特に挑発行動に出たわけでもないのに、
誘惑されていると思いこんで敷地内にズカズカ入ってくる田舎のボーイズ。
なぜ?
携帯電話をトイレに落とすという、ベタなドジをするヒロイン、
なのになぜかすぐに修理に出そうとしないヒロイン、
なぜ?
悪党どもの犯行をニヤニヤ見守る保安官、
こういう悪事に慣れている風なのに、逃げたヒロインを瞬殺せず、
湖に飛び込むまで見守りつつ、あとで慌てまくるって、
結局どういう風に片づける方針だったんだろう…
なぜ?
アールってじーさん、なんもわかってなかったのに、殺されたような…
なぜ?

中盤まで退屈すぎて、かなり字幕を見飛ばした気がします。
それでも大筋は、レイプ→仲間割れ→復讐
なので、特に話がわからなくなることはないです。
私としては…
(ここで記憶の中のタイトルを探ったけど、どうしても出てこない。
確かヒロインがなんやかんやストーカーに追い詰められて、
モサドだか対人格闘の訓練をして対策に励み、無事勝利する作品)
(5/8追記 ジェニファー・ロペス主演の「イナフ」でした!)
…↑くらいのワクワク復讐ものを期待してたんですが、
全然違った_/>O

なにが違う、って、コレ、復讐サスペンス、ってより、
ソウ系の痛いホラーなんです、後半。
三分の一くらいかけて、ネチっこく、Sっ気たっぷりに、
ヒロインが強姦犯どもを血祭りにあげるのです。
それもソウばりに凝った方法で_/>O
だから殺しの表現が痛いのなんのって(ノд`)
わたしは痛い系が苦手なので、まぶた釣り針のシーンとか、
ジャンプで画面の真ん中を隠してました。

レイプに至るまでをもっと簡略化して、
復讐に至るまでにヒロインが立ち直る描写があればよかったのに…
そうすれば、たとえば保安官が家族を愛する姿に、
葛藤するシーンとか入れられるわけだし。
でも、たぶんこの監督が描きたかったのは、
精神的な葛藤とか、そういうカタルシスじゃなくて、
ソウばりのサディスティックなゴアシーンだったのだと思うので、
なに言っても無駄かな~。
懸命に復讐してるのに、一人しか反省の色を見せなかったのも、
私的にはなんだかな~。

個人的には、予想とまるっきり違ったので大失敗でしたが、
ソウ系のイタタ系が好きな人には良作かもしれません。


「わらの犬」
「アイ・スピッド・オン・ユア・グレイヴ」を観てガックリしたその翌日、
それこそ復讐するかのごとく観た作品。

両方とも、展開がものすごく似てた。
まずとにかく、登場人物たちが怒りっぽい。
なにかっちゃ酔っ払って、常に異常に興奮している南部の方々。
それを「南部はこういう気質」として片づけてるが良いのか?

一時間四十分くらいの作品なんだけど、
バイオレンスに至るまでが長い!
長くて退屈で、私が予想していた以上に社会派なエピソードが入ってくる。
それいるか? ほんとにいるか?

たぶん主人公と南部の方々が相容れないことを印象づけるためだろうけど、
どっちも極端すぎ。
軽トラに、荷台も含めて四人も乗って移動してる連中の前で、
一千万円の高級車を乗り回す主人公は痛すぎるし。
まだ雇い主が眠ってる早朝に大音量で音楽かけて大工仕事して、
お昼前には帰っちゃう南部の方々もどうかしてる。

こちらでもヒロインはレイプされちゃうんですが、
自業自得感満載です。
ノーブラでマラソン、素っ裸披露、風呂上がりに元カレの訪問を許す、など。
また、レイプされたのにそれを夫に言わず、
自分だけでも都会に戻らないのも「どうかしてるぜッ」
文句は言うくせして、「僕は争いがキライだ」とかいう主人公も、
一貫性が見えず感情移入しにくい。
人付き合いが苦手なら誘われても一緒に狩りとか行くなよ。
仕事についてネチッこく注意するくせに、
〝雇い主〟としての自覚や責任感がないからナメられんでしょう。

あとですねー
終盤、娘を拉致されたと思いこんでる南部の方が、
間に入った警官に銃をぶっ放すんですが、
さすがにそこまでの狂気を描きたいなら、
その前段階をもっとしっかり描いて欲しいなって…。
「アイ・スピッド・オン・ユア・グレイヴ」のボーイズもそうでしたが、
この方々、唐突に極悪犯罪に目覚めるんですよ(ノд`)
〝乱暴で不器用だが、このへんにはよくいる奴〟から、
〝殺人も強姦も放火も、良心の呵責なんて
感じないでやってのけるぜオイラ〟に。

古い罠を使って なんかやるんだろうな、というのは、
あまりにも推しすぎ。ゴリ推し!
その割には効果的な演出ではなかったのでガッカリ。

うーん、この作品も、かなりイメージと違ってました。
でも
「アイ・スピッド・オン・ユア・グレイヴ」「わらの犬」
両方とも元となった作品は名作のようなので、
そちらを鑑賞したいという気にはなりました。
そういう意味で、単純明快な物語そのものは悪くないんだと思います。
やっぱりリメイクって、全体的な引き算が巧くないんだな~_/>O

明日以降は気力があれば、そしてお仕事に向かうことができたら、
余暇に「インシディアス」を観ようと思ってます。



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