ロビン・フッド [映画]

     

うんと子供のころに観た『少年ロビン・フッド』の映画だかテレビドラマだか、
ハッキリとは記憶にないんですが、
少年ヒーローの原点として今も大好きなロビン・フッド。
『接吻のナイフ』の森はシャーウッドの森がモデルですし、
そもそも〝少年〟が主人公な物語が好きな原因がここにあったように思います。

そんなわけで、ラッセル・クロウ主演の「ロビン・フッド」を観ました。

以下、ネタバレ含む感想。

公開当時、いろんな批評で言われていたように、
確かにラッセル・クロウとケイト・ブランシェットのロマンスはないですわ_/>O
老いらくの恋、って感じで、さわやかさやすがすがしさなどはないです。
どっちの年齢もマイナス20して丁度良いくらいです。

酷評されているほど、物語や戦闘は悪くないと私は思いましたよ。
特に戦闘は、たとえば『ガンツ』みたいに、
どこで何やってるのか判らないアクションに比べたら、百倍も面白いです。
ちゃんと誰が何をして、どういう風に戦術があって、
というのが見てるだけで判ります。
ただいかんせん、ロビン・フッドのイメージに対してラッセル・クロウはもうおじいさん過ぎました。
見てて貫禄ありすぎ、重厚感ありすぎ、葛藤なさすぎ(笑)
ケビン・コスナーの時も、私にはイメージが違いすぎて萎えものでしたが、
それでもまだロビンっぽかった。
ラッセル・クロウはもうロビンって感じじゃなくて、知らないオッサンです。
マリオンも、おばはん過ぎます_/>O
マリオンなんて、十六歳の生娘とかでいいのですよ、
嫁きおくれたうえに夫に先立たれた貧乏主婦みたいなのは、ロマンがありません。
ロビン・フッドとしての物語でなく、架空の英雄とか、
あるいはタイトルを別にして、
「実は彼がのちのロビン・フッドでした」
でもよかったんじゃなかいと思います。

物語は本当によくできていると思いますよ。
二時間越える映画でしたが、退屈はしませんでした。
ただ、ドラマが好きな人や、もっと恋愛や宮廷劇が観たい、
って人には、戦闘ばっかりなので、ハリウッド的に感じちゃうかもしれません。
私はドラマなんてちょこっとでいいタイプなので、
えんえんと攻城戦やっててくれてもOKです(笑)
それに、戦いの図が非常にわかりやすいです。
あっちもこっちも出てきてぶつかり合う、っていう流れを、
きれいに一つ一つ追っています。
ただですね~、きれいすぎかもしれません。
たくさん出てくるあちこちの人を、わかやすく描くため、
それぞれがとても浅いのです。
ドラマ性をはぶいて戦闘をたくさん投入するにはその方がいいと思いますが、
おかげで映画としてはB級になってます。
悪役は悪役らしく、善玉は善玉らしくしか描かれないから。
冒頭の十字軍遠征の虚無性の表現までは、
重苦しい描き方をしています。

個人的には、フランスが海から攻めてきて迎え撃つシーンは、
内戦シーンを減らしてでも、もっと丁寧に描いて欲しかった。
〝海から攻めてくる敵を迎え撃つ戦い〟は、
『300』を越えるのは難しそうです。
でも近年観た戦闘系では、とても判りやすく観られる映画でした。

なんであそこまで酷評されてたのかなぁ。
監督がリドリー・スコットだからかな?
もっと芸術性の強い映画を望まれていたんでしょうか?
そういう意味では『グラディエイター』の方が圧倒的なドラマでしたからねぇ。
でも私みたいなバトル大好きっ子からすると、
『グラディエイター』って、一番面白かったのは、
コロシアムで盾を使って奴隷たちと勝利するシーン、
のみ、だったりするんですよね(笑)
あとはもう、奥さんや子供のことを思ってメソメソするシーンとか、
ホモっぽい皇帝と女の場面とか、寝そうに退屈だったし。
私みたいなもんは、『トランスフォーマー』とか観てウヒャッホーって言ってたらいいんですよね~。

えーと、つまり、そういう人向けの映画にはなってるけど、
なんらかの芸術性を求めてる人には、かなり不満になっちゃう感じの映画でした。

……あとですね、ロビンってもっとこういう感じのはず…
って思い描いて見ない方がいいです。
この人は頑張ってるオッサン、って思って見てると、普通にいい感じですよ。


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