『ローグ・ワン』を観ました(・д・) [映画]

     
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
2016年公開・ギャレス・エドワーズ監督作品

ギャレス・エドワーズ監督といえば、
わたしには合わないでお馴染みの方じゃないですか。
そう考えると、
今作はかなり己のカラーを引っ込めたんだろうな~
『ゴジラ』ですらあんな無茶な作り方した人が、
やはり『スター・ウォーズ』のファンに嫌われるのは怖かったんでしょうね。
そういう意味で、あたりさわりのない、
『このあたり出しとけばオールド・ファンは黙るやろ』
ってギミックだけ満載の、普通のSF作品かな?

以下、ネタバレを含む感想。



SF作品としては、そんなに悪くはないのです。
スターウォーズならではの、ATAT系とか、
アクバー提督系提督とか。
ダース・ベイダーもちょろりと登場するし、
なつかしの帝国提督とか、レイア姫だってラストにちょっぴり出ます。
でもあまりスター・ウォーズ愛は感じない。
なぜだろう??

『フォースの覚醒』が成功したことで、
JJエイブラムスの評価が再確認されたのは、記憶に新しく、
あの作り方が成功したことで、
「オールド・ファンの黙らせ方」が判ってしまった気がします。
でも私は、それにおそらくオールド・ファンみんな、
ローグ・ワンの犠牲のバトンを見たあとで
レイアの満面の笑みとか見たくなかったな。

ローグ・ワンの犠牲、というのは、
エピソード4でデススター攻略戦の前にちょっぴり語られます。
また、エピソード4の最初の戦闘も、設計図を巡る戦いだったことが思い出されます。
そしてルークたちが会っていない以上、
ジンもキャシアンもK2もチアルートもマルバスも、
みんないないんだな、というのも途中でハッと気付くんですね。

スター・ウォーズの場合、反乱軍の〝裏側〟とか必要だったかなぁ?
もっと子供っぽい正義の心でいいんじゃないかなぁ。
というか、普通に反乱軍の場合は、逃げ出したければ逃げられたのでは???
なんか孤児が洗脳されて反乱軍の汚い仕事をさせられてた、
みたいなこと言われると、「それってどこのスター・ウォーズ???」
って気持ちになるんですね。

この監督は、他の作品でも
幼稚なネタに大人の理屈を持ち込もうとして空回ってる気がします。
冷酷な現実を持ち込むことで、
大人の鑑賞にも堪えうるでしょう? って言ってるみたい。
でもそれは、うーんんんん。
逆に言うと、この部分を削ると、もうこの監督っぽさってなくなるんですよね。
それくらい、今作はオールド・ファンに媚びてる。

個人的には、キャシアンとジンをラブ展開にするわけじゃなかったなら、
ジンは青年でもよかったのでは? ということ。
『フォースの覚醒』っぽいキャラ設定にしたことで、
「こんなのスター・ウォーズじゃない」という声をつぶしたかったんだろうけど、
SFヒロイン展開はここ数年ちょっと多すぎでは……

一つだけハッキリ言えるのは、
この作品は他のギャレス作品同様、
「この作品は俺の(私の)生涯ベストテンに入る!」
という作品ではないこと。
この監督は良作までは作れるんだけど、傑作が作れないって感じ。

スター・ウォーズに思い入れが強い人には向かないかも。
ラストの犠牲のバトンには感動しますが、
それはエピソード4があるからであって、この作品単独で考えると、
主役をチアルートにしたら良かったのでは?
と思ってしまう。
もともとギャレス監督作品に免疫がある、
っていう人にしかオススメできないかなぁ。
あくまで標準点はクリアしているけど、
スター・ウォーズでなかったら、ジンの無駄に陰惨な生い立ちとかも、意味不明です。
(とにかくギャレス監督は東南アジア系の山岳兵士が好きなのでは?
悲惨な生い立ちから兵士になり、望まずに殺しの技に長けた、
というネタがどの作品でも満載です)


トラックバック(0) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。