18年かかった「ピアノの森」がとうとう完結して涙 [マンガ]

     
「ピアノの森」26巻完結
一色先生はお体が丈夫でないとか、
そうでなくともわたしが学生の頃からバリバリ書いてらっしゃるので、
休み休みになるのは当然として、
途中で掲載誌が休刊して危うくえらいところで終了しかけたりして……
それでもとうとう完結したんだなぁと、感慨深く取り上げました。

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の件とか、
「おそ松さん」の件とか、
いろいろ書きたいことはあったんですが、
やはりこの感慨が最初かなぁと。

マンガ好きで、まだ読んだことがないとか、
それほどマンガは読まないんだけど、
という方にも絶対オススメの作品です。
全26巻、一気買いして読んでも決して損はしないでしょう。
ピアノに興味があるないに関わらず、
どんな人にもオススメです。


以下、ネタバレ有りの感想……


物語は主人公のカイを中心とした、
ピアノと縁深い関係にある幼なじみ、雨宮修平と、
最初は反発していたものの、
かけがえのない師であり、父親同然の存在となったかつての天才ピアニスト、阿字野壮介
との、人間関係二本柱によって牽引していました。

阿字野との関係が終始蜜月であるのに比べ、
雨宮との関係はまったく逆の荊道だったので、
わたし的には、病んでいた雨宮が自分自身を取り戻し、
カイとのライバル関係は決して自分を破滅に追いやるものではないという解決を迎え、
子供の頃の蜜月を取り戻すくだりで、一安心というか、
(言い方はナニですが、BLじゃないですよ)
(個人的には映画「少年時代」と似た疑似恋愛的な要素をカイと男性キャラとの間に感じます)
「思い残すことはない」
くらいの感動を覚えましたね(笑)

そのせいか、駆け足になった25~26の展開は、
きれいにまとまっていると(おこがましくも)感心させられたのとは裏腹、
やはり森の端での顛末、カイのツアー、阿字野の復活、レイちゃんの恋、
など、それぞれ一冊分かけてくれてもいいのに、
というくらい物足りない感じがしたのも事実です。
特に森の端の一件は、このせいで一巻からカイが苦労してきたことを振り返ると、
かなりアッサリしすぎ、と感じました。
(いずれにしてもカイの過去が強請られたりスキャンダルになる前に、
過去に苦労した美談として、本とかにして表沙汰にするんだろうなと思いますが)
(まぁ、あと、悪い人たちの陰謀とは別のカタチで、
結局はカイが森の端の人々を〝全員食わせていく〟という、
当初からの野望を成し遂げるという……カッコイイことにもなったわけですしね)
ショパン・コンクールでの演奏を何巻もかけて表現されてきたので、
カイのツアーや受賞後の演奏もネットリと読みたい!
人々がカイをチヤホヤするところも見たい!
とは思ったのですが、まぁ、蛇足になるのかもしれませんね(笑)

阿字野の復活は、思ってもいなかった展開で、
(もちろんずっと伏線は張られていて、それはそうとは思っていましたけど)
ラストシーンがああなるとは、思いがけない感動でした。

本当に、魅力的なキャラクターが多いマンガだっただけに、
それぞれのエピソードをまとめて欲しかったなぁ、
という、ワガママな願いは際限なくあるんですが、
いずれにしても一色先生の
〝きちんと完結させたい〟
という心の声が聞こえるような最終巻で、
何よりも今は、
「面白かった! お疲れ様です!」
と言いたいです。

本当に良いマンガです。
ぜひ触れてみてください。


トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。