気になっていた新しい「キョンシー」を観た [映画]


「キョンシー」
2014年作品で、1980年代にブームを起こした「キョンシー」作品へのオマージュ作品とのこと。
1980年代のキョンシー作品と言えば「霊幻道士」。
テンテンとかいうオンナノコが出てくる方は、わたしにはダメです。
「霊幻道士」の方は、オジサン道士の無双っぷりがカッコイイです。

まぁ、それはともかくとして。

今作は「呪怨」の清水崇さんプロデュースとのことで、
細部にわたってジャパンホラータッチが見受けられます。
ただし、その表現方法がキョンシーの世界観とマッチしたかどうかは微妙(^_^;)
ぶっちゃけ、映画としては面白くないし怖くもなかったです。

面白くない理由は物語の語り手がいないので、
(いても内面描写が不明)
なぜなぜなーぜ? が最後まで放置されるせいです。
同じ理由で、登場キャラの全員が没個性なので、
怖さが感じられない。
(セキュリティのおじさんだけは、
ハリウッド映画の気の良いおまわりさんみたいで判りやすかったです)
・なんで双子の幽霊が他人にまで攻撃的なのか不明。
・オバサンがそこまでしてダンナを甦らせたい理由が不明。
・善人道士の正義感の限界が不明。
・悪人同士の悪意の限界が不明。
・子供をアルビノにした意味が不明。
・子供の母親の動向が不明。
・主人公のやる気メーターの加減が不明。
このように不明点が大量にあるうえ、
(以下、ネタバレ反転)
最後が死者の夢オチなので、 感情の持って行き場がナイ……
というね。

ただ悪い点ばかりではなくて、
高層団地の廃墟表現は素晴らしかったです。
同じカットが何度も出てくるのには辟易しましたが、
灰色の団地に灰色の灰が降ってくる、
その中の流血表現とかは、わたしは美しく感じました。

しかしこの映画、なぜかグロ耐性の低い人が多く視聴したらしく、
グロに関しての評価は低いです。
わたしはむしろ、グロ表現は可能な限り頑張ってたなぁ、と感心させられましたけど。
グロよりガックリしたのは、
双子1がレイ○されて、双子2が男を殺してしまった時、
1の背後からのカットが入るんですが、
男のピストン描写があったにも関わらず、
1の白いワンピースがきちんと下りてた件ですね(-_-)
それなら1が裾を気にして下ろすカットが欲しかったし。
というか、長い髪の毛をまとめもせず、
汚れやすい白いワンピース姿でベビーシッターって…
そういう細かい点の性格描写が欠けて、
ただ〝白い服で黒髪振り乱したオンナこえ~〟っていうのは、
単純すぎまいか?

映像の美しさや、セットの統一感など、
細部の美学は伝わるだけに、
半分からの登場でいいので、
きちんとした現代風道士を解決役として登場させていたら、
それだけで神作品になっていたかもしれないのにな~
西島秀俊さん風の、コンスタンティン調の道士だったら惚れちゃうよ~

(-_-;) 残念な点の多い作品でした。

わたしのように昔の作品に思い入れがある人より、
新作として観られるヒマな人にオススメします。
ただしグロテイストは10段階なら3くらいはあるので、
1でもイヤだ、という人は観てはイケマセン。


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