韓国の感染もの大作、「FLU 運命の36時間」を観た。 [映画]

     
「FLU 運命の36時間」

韓国産のパンデミックものです。

正直、こういった作品を製作できる韓国の映画製作環境は本当に素晴らしい。
個人的な感想としては、日本ではどんなに「大作」「大作」と連呼されても、
実際にその言葉に見合うビッグな作品は観たことがないので。
もちろん、素晴らしいドラマ作品などでは日本も負けていない。
しかし、こちとら80年代のハリウッド大作をバリバリ観て育った世代なんでね。
理由は不明だけれど、何十年たっても、
日本の「大作」はいつもスケールが小さいと感じてしまう。

そういった忸怩たる思いを払拭するように、
韓国の「大作」はハリウッドでなくたって、やればできるんだよ!
と、教えてくれるわけです。

この作品のテーマは「感染」。
変異した鳥インフルエンザが首都に近い都市で蔓延したら?
というifがテーマになっています。

観ていると、細部のリアリティは欠落しています。
ありえないだろう、というような場面も出てきますし、
重要なキャラクターであるヒロインの娘は、
私は正直、可愛いとか守ってあげたいとか、思えませんでした。
また、私が主人公だったら、
自分勝手きわまりないヒロインも、数回ビンタして踏みつけにしていることでしょう。

「大作」としてかつてのハリウッドスケールに匹敵はするものの、
逆にハリウッド作品として観てきたエピソードが多すぎて、
新機軸がないのが残念でした。
いくつかのポイントで、都合を合わせるためのムチャクチャな偶然に頼るのも、
(ヒロインと主人公が隣り合わせのテント、
弟を死なせてしまった兄が仇と偶然遭遇する、
数万体の遺体に埋もれた子供を見つける、
数万人の後ろに埋もれていた子供が先頭になる、などなど)
この作品が大作でありながらメジャーにならなかった理由かと思います。

個人的には、遺体焼却の大胆な描かれ方や、
人権を無視した封じ込め描写など、
日本でもありそうだなぁ、と思いましたし、
映像として、一つの都市で蔓延する伝染病をテーマにここまで描ききれるのは、
韓国の映画に対する情熱の強さゆえだと思いました。
日本だったら奇妙な人間ドラマになっておしまいだと思います(-_-;)
(あ、なんかそんな映画あったな……「感染○島」?)

大作ではあるけれど、傑作ではないのがツライという点では、
去年観た「ザ・タワー 超高層ビル大火災」を彷彿とさせられます。
わたしの感想
映画らしい映画、という意味では、すごく満足させてくれる作品なので、
韓国映画が平気な人、パニック描写がOkな人にはオススメです。


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