「劇場版 SPEC ~結~ 漸ノ篇」か~ら~の「劇場版 SPEC ~結~ 爻ノ篇」 [映画]

     

「劇場版 SPEC ~結~ 漸ノ篇」
ヤバイ予感がバッチリ当たった作品。

もうね~しょ~がないですよね~。
TVシリーズがおもしろすぎましたね。
わたし個人としては、当麻役の戸田恵梨香ちゃん、
瀬文役の加瀬亮さん、ニノマエ役の神木隆之介きゅん、
この作品で好きになった城田優など、キャスティングの妙もありましたし。

どう表現したら伝わるかわからないですが、
たぶん、この監督の作品は、この監督の作品が好きじゃない人にとっては、
どこがおもしろいのか、何がいいのか、さっぱりわからないモノだと思うんです。
だからどんなにTVシリーズ版の「SPEC」が良かったからと言って、
観てみ、とは勧めにくい。
なぜなら、この監督がOKな人なら、すでに有名作である
「トリック」や「ケイゾク」を視聴済みであろうし、
であれば当然のことながら、この監督がシリーズに愛着して伸ばせば伸ばすほど、
イミフになっていき、つじつまが合わなくなり、
熱烈なファンほど置いてきぼりにされることも知っているだろうから…。

「天」ですでに危うかったその感じは、この「結」で大爆発を遂げています。
ネタバレする、しない以前の問題で、
TVシリーズとは別物だと言うしかないです。
TVシリーズをオススメするなら、
「キャラものの本格ミステリーかと思って観ていたら、
実は久しぶりの超能力もので、最後まで目が離せないワクテカ作品」
と断言できます。
けれど劇場版「結(要するに前編)」に関しては、
「救世主系ループ」
という、わたしの大嫌いな(「サイレン」は除く)パラレルエンドに向かう序章であり、
TVシリーズへの愛情がなかったら、
カケラもオススメできないクズ作品となりはてていました。

別の展開から観てみると、
たとえば、上映前は元AKBの大島優子が出演、
と、ヲタの間ではちょっとした話題になっていて、
優子ヲタは我が軍の大勝利、なんて騒いでもいました。
それで、その後話題になったのは、
実は出番がそんなにない〝らしいよ〟ってことだったんですが、
わたしが見た感じ、出番はかなりありました。
へたしたら、前編に関しては当麻よりシーンが多かったんじゃないか、
というくらいかなり出ずっぱり。
ただですね~、とにかく同じ場所での似たシーンが続くので、
たくさん出ている印象がありません。
また、優子のせいではなく、キャラ設定が謎なので、
可愛くもないし、神的でもないし、言葉遣いは荒っぽいし、
相変わらず〝等身大の演技〟しか感じられず、
脱皮は感じられず残念無念…。
優子ファンはTVシリーズも未視聴で劇場版を初見の可能性もあるので、
だとしたらかなりイミフでしょうし、
「どうしてオレの優子より戸田恵梨香の方が目立つんだよ(~o~)」
という気持ちもあったかもしれません。

向井理さんも、がんばって演じておられましたが、
世界観的に、TVシリーズからすると、どうしても無用のキャラです。
彼を出したばっかりに、恐ろしい世紀末映画になってしまった、といっても過言ではないでしょう。
もちろん向井さんのせいじゃありませんとも。

わたしはこれをWOWOWで視聴したんですが、
劇場版で視聴した人の気持ちを思うと胸が痛みます。

か~ら~の~

     

「劇場版 SPEC ~結~ 爻ノ篇」
要するに「後編」ですね。

スペシャルから続く広げまくった大風呂敷を、いよいよたたむときがやってきました。
なので、せわしないかな? と思いきや、実際にはそうでもなく、
案外ありがちな展開に落ち着きました。
この〝ありがち〟と感じる感覚は、わたしが海外の終末ものが好きなせいかもしれません。
あまり日本人受けはよくないのですが、
個人的には宗教的な終末を描いた映画は大好きでよく観ますから。
た~だ、
好きでも決して相容れない、それが、
「パラレル系ループ」
なのですよ。
なぜ「サイレン」(PS2ゲーム)が特別なのかは、
この作品がパラレル嫌いをも打ちのめすほど、よくできているからです。
パラレルの弱点であるフラグ放置をしない、という、
製作者にとって面倒きわまりないプロットを徹底的につくりこんでいるのが「サイレン」です。

……非常に言いにくいですが、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をどうしても好きになれないのは、
この、〝平行宇宙の存在〟をご都合主義に転嫁したエンディングのせいです。
学生の頃に観て、いまだに好きになれません。
(エンターテイメントとしては評価していますとも)

端的にこの作品をありがちだと感じたのは、
「世界は無数にあるのだから」
という製作側にとって非常に都合のいい法則を
セリフとして形にして完結させたからです。
たくさんのややこしいアレコレも、
「それはまた別の世界での話だから」
で済ませてしまうというマジックです。
そういう映画は死ぬほど多い。
むしろパラレルが好きな人は、この「無数」の別展開が好きなんだろうとは思います。

わたしは前編、後編と続けて観て、
がっかりすることだらけでつらかったですが、
ラストの数分に関してだけは、TVシリーズのエンドとしては悪くないと思いました。
「サイレン」のラストもそうですが、
この世(あらゆる世界)にただ二人だけになってしまったとしても、
〝それでもいい〟と思える人に出会えたことはすばらしいと思うんですよ。
当麻と瀬文の関係は、兄妹、相棒、という、性を介さないものだと思いますが、
だからこそ、ラストは美しいと感じたし、ホロリときましたね。

悪口だらけになるような映画の感想は、
できるだけしないようにと心がけているのですが、
この作品はとりあえず、
ラストの数分のために、ファンは観てもいいんじゃないか
と伝えたかったのです。
逆に言うと、ほんと、それ以外の目的ではまったく価値のない作品としか言いようがない。
それが悲しいんですが_/>O



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