ドラマ「家族ゲーム」 本「悪の教典」 [ドラマ]


「家族ゲーム」

久し振りに最初から最後まできっちりとドラマを観ました。
ラストの十話では、田子=吉元の「家族を再生させろ」のセリフで涙がポロリ。
ここまでボロボロに崩壊した家族がどうやって再生されるのか、
駆け足ではありましたが見応えはありました。
途中までは鬱エンドになるのではないかとハラハラしてましたが、
最後の最後でひとつまみの毒を残しただけで、
沼田家の再生に関してはコンプリートされて良かったです。
現実の世界では更に様々な問題が持ち上がるでしょうが、
少なくともドラマのラストはこれで良かったと思いました。

個人的には「それでも生きてゆく」ほどには問題作とは思いませんでした。
具体的な悪意が招く不幸を体現させるのには、
さすがにここまでの表現が限界なのかな、というぬるさは残念。
嵐の翔ちゃんが主役なので、若い娘さんが観たりする場合、
あれ以上のショッキング表現は不必要だとは思うので仕方ありません。
でも多少過激な暴力表現や、
新旧沼田家にもう少し生活感漂わせる必要はあった気がします。
「それでも生きてゆく」では、満島ひかりちゃんと風間俊介くんのシーンが始まると、
息が詰まって苦しくなるギリギリ感をずっと感じたものです。
特に、風間君の背中を駆けていってひかりちゃんがキックした時は、
たまりにたまった怒りや悲しみが爆発したのだと伝わって痛いほどでした。
ドラマ「それでも生きてゆく」をまだ観ていない方は、
ぜひ観てみてください。
「家族ゲーム」同様、面白いドラマ、というには語弊がありますが、
心に突き刺さるドラマであることは間違いありません。


「悪の教典」

図書館から延長して、四週間かけて読了しましたヾ(´∀`)ノ
いやぁ、読むのが遅くなったものです。
小学生の頃、夏休みは図書館に一日四回借りに自転車で駆け、
ジュブナイルとはいえ二十冊近くを読了したものですが、
(江戸川乱歩とか、コナン・ドイルとか、エーミールとか、
そうそう、ナンシー・ドルーとかも、ジュブナイルの棚を網羅したなぁ)
もはやそんな気力も体力もナシ。

貴志祐介先生の作品を読むのは本当に久し振りだったんですが、
相変わらず読みやすかったし、面白かったです。
ただ以前に読んだ本の中ではあまり好みではなかったです。
私的には、
1 天使の囀り
2 黒い家
3 ISORA
って感じで、「悪の教典」は「クリムゾンの迷宮」よりは読めるけど、
たぶんショッキングレベルとしては「クリムゾンの迷宮」と比べると、
大人向けと子供向けほども大差ある気がしました。
ホントに貴志先生の作品なのか? というほど、
グロ描写がない(笑)
先生が生徒を殺す、というテーマがグロいだけで、
描写は実にアッサリしていてドライでした。
たぶん、一般の人が読んで一番グロく感じるのが「天使の囀り」だと思います。
でも私はなんというか、ある種の救いに満ちた物語だったと思うんですよ。
グロ描写に耐性のある方はぜひ読んでみてください。

映画との違いはほとんどなく、
映画でははしょられている部分が多いけれど、
根本的には改変のない同系統の作品でした。
映画で私が活躍して欲しかったオカッパを筆頭とした学生たちは、
原作でも変わらず無能でした_/>O
特にオカッパの無能さは頭痛の種で…。
『嫌な予感がする』とか『気味が悪い』とか『怖い』とかいう、
ピカレスクヒーローであるハスミンを讃える表現者でしかなかったです(TдT)

私が好きだと言える作品群に関しましては、
ぬるいと言われようが甘いと言われようが、
ある種の〝こちら側の勝利〟で終わります。
でもこの作品ではえんえんとドツポにハマっていくサイコパスの思考形態が羅列され、
(頭がいい、天才、魅力的、と連呼されますが、それにしては犯行が行き当たりばったりで、
ドツボにハマる前にできることが山ほどありそうに見えました)
ラストの展開も、ハスミンがどれだけ〝悪〟かを強調するためだけのものなので、
オカッパたちが悪意に抵抗した痕跡が薄くスッキリしないのは、
原作も映画と同様でした。


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